アコギをライブ中”いい音”で鳴らすには?

アコギで弾き語りライブをする女性シンガーソングライター

今回はアコースティックギターを”いい音”で演奏する方法、そしてライブハウスや会場または野外(ストリート)において音響設備の選択手段について解説していきます。

これからアコギを使ってライブで活躍していきたいという方は、ぜひご覧ください。弾き語り、バンドアンサンブル、アコギソロ、どのような形態でも使用可能です。

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ライブハウス、会場の音響設備

アコースティックライブを成功させるたにも、まずやってもらいたいことはライブハウスまたは会場に設置されている音響機材のチェックです。

アンプやPA卓はどの種類があり何を使用していいのか、またエレアコを使用する方はシールドが何メートルの物を用意すればいいのか、しっかりとリサーチしておきましょう。

アコギをDIにつないでPA卓に送る

L.R.Baggs ( エルアールバックス ) / Para Acoustic D.I. アコギ用ダイレクトボックス

L.R.Baggs ( エルアールバックス ) / Para Acoustic D.I. アコギ用ダイレクトボックス

最初にご紹介する方法は、PA卓につないでスピーカーから鳴らすという方法です。こちらはエレアコを所有する方にとっては、まさに定番の方法でしょう。多くのライブハウスには、アコギの信号をDI(ダイレクトボックス)につないで、ミキサーに送るという音響システムをとっています。

そのためマイクで歌うボーカルの音と、アコギの音が、スピーカーから会場全体に響きわたらせることが可能です。
弾き語りやバンドアンサンブルでは、とくに多くのギタリストが取り入れている音響手段でもあります。

音楽ライブが日常的に行われているライブハウスなどには、当たり前のようにDIは設置されていますが、野外や臨時的に設置されたステージ、またはレストランやバーなど水商売のお店では、PAやスピーカーはあるがDIがないということもあります。

そのようなこともあるので、会場に設置されたスピーカーから鳴らしたい方はDIを1台所持しておくとよいでしょう。

DIの種類も様々あり、イコライザーがついている物、リバーブやブースターがついている物など、値段も幅があります。多くのPAシステムでは、リバーブや音量もチャンネルごとに変えることは可能です。

ZOOM ( ズーム ) / AC-2 Acoustic Creator アコースティックギター用プリアンプ

それでもこだわった音を作りたいという方は、サンプル音を聴き比べたり、楽器店で直接さわり操作性をたしかめるなど、十分に吟味して購入してください。

また自主企画として場所をとりライブをするという方の中で、会場にPAシステム自体が無いという方もおられると思います。
これからも自主的に野外などでライブを行うという方は、1台PAシステムを購入することも検討してもいいかもしれません。

CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / PAeZ イベント用 簡易PAセット マイク付属

CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / PAeZ イベント用 簡易PAセット マイク付属

使用する上での注意点として、PAシステムの使用可能チャンネル数、コンセントと電源の距離などもしかっりとリサーチしておきましょう。
野外で使用するさいは音が拡散してしまうので、しっかりと観客席に音が届き、かつ演奏する楽器人にも音が聴き取れる、ちょうどよいスピーカーの設置場所を考えることも大切です。

アコギの音をマイクで拾う

続いては、アコースティックギターの音をマイクで拾うという手段です。
こちらはエレアコを使用しない方や、ギター1本で行う弾き語りのライブなどで使用される手段になります。

アコギの前に専用マイクを立て、そこで拾った音をPAに送りスピーカーから鳴らします。
弾き語りをするシンガーソングライターや、ソロギターをメインで演奏する方もよく使用する手段であり、マイクで音を拾うためナチュラルな空気感がある音を出すことが可能です。

アコギの音をアンプから鳴らす

続いては、エレアコをアンプにつないで、アンプの前に専用マイクを立てて音を拾い、それをPAに送ってスピーカーから鳴らすという手段です。

またはPAが設置されていない会場、またはストリートであれば、アンプ1台からボーカルとギターの音を出すという手段もとられます。

ROLAND ( ローランド ) / CUBE Street ギターアンプ 電池駆動

ROLAND ( ローランド ) / CUBE Street ギターアンプ 電池駆動

よく野外やストリートにおいて使用されるアンプでは、ROLAND製品の「CUBE」が定番として有名です。
ナチュラルな出音であり、リバーブもエフェクトとして付随しています。

音を増幅させずに完全な生音で演奏

一方でマイクやアンプを一切使わず、完全な生音で演奏するという手段もとられます。
代表的な例でいえば、クラシックギターコンサートなどがそうでしょう。

コンサートホールなどでは音が反響しやすいように建造されていますので、何台ものギターでアンサンブルしただけでも美しい音色で聴かせることが可能です。

ハウリング対策

ライブ前のサウンドチェック中に、ハウリングが止まらないという状況が訪れるかもしれません。その現場がライブハウスであり、プロのPAスタッフがいるのであれば相談することで解決策が生まれるでしょう。

ですが自分たちだけでPA専門のスタッフがいない場合であれば、まずは音量とイコライザー(低音域、中音域、高音域)を調整してみてください。
次はスピーカーの位置と、自分の立ち位置も確認しましょう。アコギのサウンドホールの向きや、周りにいる他の楽器との距離まで、細部にわたって試してみてください。

*(もしエレアコについてあるピックアップが、マイクとピエゾの比率を調整できるものであるならば、ピエゾピックアップの比率を上げてみてください。L.R.Baggs ( エルアールバックス ) / Anthemなど)

おわりに

今回はライブでのアコギ使用法をまとめてみました。初ライブが近い方は、まず会場の音響設備を確認してみてください。予備のシールド、ピック、弦も忘れずに用意しましょう。

PAスタッフがいない現場であれば、事前の音量やリバーブは少し深めにかけてください。観客が多く入れば入るほどサウンドが吸収されるので、理想的には手元近くで音量コントロールをできるほうがよいです。
ボーカルとの音量バランスも考えて臨みましょう。