「禁じられた遊び~愛のロマンス~」ソロギターTAB譜を、後半部も含めた完全版として更新いたしました。
「禁じられた遊び」をマスターするためのギター・エクササイズを更新しました。

原曲の日本語題名は「愛のロマンス」なのですが、1952年のフランス映画「禁じられた遊び」の主題歌として有名になり、そこから曲名を「禁じられた遊び」としての認知も広がっていきました。
元々はクラシックギターの練習曲として作曲されたという説が濃厚で、そのため現代でも数多くのクラシックギター教室で課題曲として取り上げられています。僕自身も中学生の時にクラシックギターを習っており、当時課題曲として練習しました。
「禁じられた遊び~愛のロマンス~」を弾けるようになれば、アルペジオ奏法そしてフィンガーピッキングにも格段と自信がつくでしょう。
「禁じられた遊び~愛のロマンス~」はEmキーとEメジャーキーの2部構成となっております。まずはファーストステップとしまして、「禁じられた遊び~愛のロマンス~」のコード進行とメロディ部分だけをチェックしてみましょう。それでは、タブ譜と楽譜を見ながら解説を進めていきます。
「禁じられた遊び」コード&メロディ
こちらが「禁じられた遊び~愛のロマンス~」のコード進行とメロディです。3/4(四分の三拍子)で、出てくるコードはEm、Am、B7、Bm7コードの4つだけ。
このように、まずはメロディとベース音だけを抜き出して見れば、視覚的にもわかりやすくメロディラインのイメージもつきやすいです。ソロギターが初めての方はこちらの<メロディ+ベース音>からチャレンジしてみてください。
*Emダイアトニックコード
Ⅰm7 | Em7 | Tm |
Ⅱm7♭5 | F#m7♭5 | SDmⓢ |
♭ⅢM7 | GM7 | Tmⓢ |
Ⅳm7 | Am7 | SDm |
Ⅴm7 | Bm7 | Dm |
♭ⅥM7 | CM7 | SDmⓢ |
♭Ⅶ7 | D7 | SDmⓢ |
*ⓢ・・・代理
*Tm・・・トニックマイナー(暗く安定)
*SDm・・・サブドミナントマイナー(暗く少し不安定)
*Dm・・・ドミナントマイナー(暗く不安定)
ダイアトニックコードには無い、ノンダイアトニックコードのB7コードは、次のEmコードへ行くための、EハーモニックマイナーからきたⅤ7のドミナントコードです。
*Eハーモニックマイナー
Ⅰm7 | Em7 | Tm |
Ⅱm7♭5 | F#m7♭5 | SDmⓢ |
♭ⅢM7#5 | GM7 | Tmⓢ |
Ⅳm7 | Am7 | SDm |
Ⅴ7 | B7 | D |
♭ⅥM7 | CM7 | SDmⓢ |
Ⅶdim | D#dim | Dⓢ |
*ⓢ・・・代理
*Tm・・・トニックマイナー(暗く安定)
*SDm・・・サブドミナントマイナー(暗く少し不安定)
*Dm・・・ドミナントマイナー(暗く不安定)
次に<メロディ+ベース音>に、コードトーンのアルペジオ部分を付け足していき、ソロギターとして完成させましょう。

「禁じられた遊び」前半部ソロギターtab
*目標テンポ100
こちらが「禁じられた遊び~愛のロマンス~」前半部のソロギターtabとなります。
全体のリズムは3連符(1拍に3音)ですが、メロディラインの音はしっかりと1拍ずつ伸ばしてください。初めはゆっくりのテンポからチャレンジしてみましょう。
「禁じられた遊び」前半部での運指ポイント
まずは右手の運指ポイントです。右手親指で低音弦のベース音と捉え、3弦は右手人差し指、2弦は中指、1弦は薬指で弾きます。
続いて左手の運指ポイント。メロディは1弦7フレットから始まっており、横移動が多い曲。こちらは左手の指を入れ替えながら弾いても良いし、指を滑るようにスライドで弾いても良いです。
Amコードの小節では、5弦は開放弦、3弦5フレットと2弦5フレットを左手人差し指でベタッと寝かせるようにセーハフォームで押さえ、小指で1弦8フレット、薬指で1弦7フレット、1弦5フレットはセーハした人差し指でそのまま押弦。
B7コードの小節では、7フレットを左手人差し指で押さえ、3弦8フレットは中指、1弦8フレットは薬指、1弦11フレットは小指で押弦。
Bm7コードの小節では、5弦2フレットを左手人差し指、3弦2フレットを中指、1弦2フレットを薬指、1弦3フレットを小指で押弦。
終わりにかけた15小節目Emコードの小節は、Emのコードトーンのミ、シ、ソ、とベース音が変わっていきます。4弦2フレットと5弦2フレットは左手中指、6弦3フレットは薬指で押弦。
「禁じられた遊び」後半部ソロギターtab
そして続いて後半部の「禁じられた遊び~愛のロマンス~」のソロギターtab譜です。Emキーが転調して、Eメジャーキーになりました。出てくるコードは全てEダイアトニックコード内のコードになり、E、F#m、A、B7、の4つです。
ⅠM7 | EM7 | T |
Ⅱm7 | F#m7 | SDⓢ |
Ⅲm7 | G#m7 | Tⓢ |
ⅣM7 | AM7 | SD |
Ⅴ7 | B7 | D |
Ⅵm7 | C#m7 | Tⓢ |
Ⅶm7♭5 | D#m7♭5 | Dⓢ |
*ⓢ・・・代理
*T・・・トニック(安定)
*SD・・・サブドミナント(少し不安定)
*D・・・ドミナント(不安定)
「禁じられた遊び」後半部での運指ポイント
左手の指使いにおいては、前半部に比べるとセーハフォームで押さえるコードが多くなりますので、リズムがずれないようにコードチェンジするよう注意が必要です。
<セーハフォームを使用する小節>
・F#mコード
・6弦ルートのB7コード
・5弦ルートのB7コード
後半部での7小節目にあたるEコードの小節では、1~3弦の9フレットを押さえる箇所があります。
この箇所では次の運指も考え、1弦9フレットを左手小指、2弦9フレットを薬指、3弦9フレットを中指で押弦。
さらにメロディが1弦9フレットから動き、1弦7フレットは人差し指、1弦11フレットを小指で押弦。
もう1ヵ所注意してもらいたい小節が、後半部11小節目にあたるAコードの小節です。左手中指で3弦6フレット、人差し指で2弦5フレット、そして小指を大きく広げて1弦9フレットを押弦。
ワイドストレッチが必要なため、あらかじめ小指を広げる感覚を何度も練習して身に着けておくことで、間違ったフレットを押さえるリスクを避けることができます。
おわりに
セーハフォームをしながらのメロディの変化がともなうプレイがありますが、セーハフォームで音がしっかり出ない方は、セーハしている左手人差し指を少しずつ上下に移動してみてください。
それに加え、ネックを支えている左手親指の方向が左に向いて傾いていないか、真っすぐ上を向いているかチェックすることも大切です。
もしくはギターのセッティングも見直してみましょう。とくに弦高の高さや、ネックの過度な反りは演奏にも支障が出ます。
今回取り上げた「禁じられた遊び~愛のロマンス~」は、とても有名な曲です。様々なギターテクニックの向上につながる1曲なので、ぜひマスターしてみてください。
無理に暗譜(楽譜を暗記)する必要はありません。譜面を見ながら、リズムと指使いを意識して取り組みましょう。