パソコン選びのポイント/音楽制作&動画編集

クリエイティブなパソコンスペックと周辺機器

時代は「令和」となり、パソコンを使った仕事の需要も年増え続ける近年。今回は「音楽制作(DTM・DAW)動画編集をしたいけど、どのパソコンを選べばよいのか」というパソコン・コンピューター初心者の方々に向けてやさしく解説していきます。

パソコンのスペック劣っていると、ソフトが上手く動作しなかったり強制終了するなど、効率的に作業ができません。

DTMでは世界トップクラスのシェアを誇る「Cubase 10」、動画編集ではプロからYoutuberまで使用する「Adobe Premiere Pro」の推奨スペックを参考にしながら進めていきます。最後には、高スペックパソコンを、コスパ良く買う方法もご紹介。将来的にはどちらもやりたいという方は、ぜひご覧ください。

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クリエイターに必要なパソコンのスペック

まずパソコンのスペックを語る上で、これだけは覚えておいてほしい4つの重要事項があります。

CPU
メモリ(RAM)
SSD
GPU

CPUとは

CPU(プロセッサー)とはパソコンでもっとも重要なパーツであり、演算処理を行う装置です。パソコンの頭脳になります。高度な負荷がかかる動画編集では、CPUの性能が高ければ高いほど快適に作業が進みます。

DTMに関しても、CPUのパワーが不足すれば再生時の遅延や処理落ちが発生します。

CPUは世界シェアNo.1の「intel(インテル)」が有名ですが、それぞれグレードがありますので選ぶ時には注意が必要です。

Core i3、Core i5、Core i7、Core i9など、“i”の後ろの数字が大きければ大きいほどグレードが高いCPU。そしてCPUのシリーズには世代があり「Core i7 9700K」など、後ろに数字が表記されます。例えば「Core i7 8700K」と「Core i7 9700K」では、「Core i7 9700K」のほうがバージョン(世代)が新しいということです。

ノートパソコンをお使いの方は、キーボード左下にintel社のシールが貼られており、搭載されているCPUが表示されているでしょう。

それではお次に、動画編集ソフトの定番「Adobe Premiere Pro」の推奨スペックをチェック。


画像出典:Adobe 公式HP

最小仕様では第6世代以降のCPU、推奨仕様は第7世代以降のCPUとなっています。YouTube動画などのフルHDを編集する方は、Core i5の第6世代以降は必要最低限です。4K動画などの高画質動画を編集したい方は、Core i7以上のCPUが理想。ちなみに動画編集パソコンでは、Core i7搭載型が1番人気です。

予算が許す方はCore i7 9000番以上のCPU、またはCore i9 9000番以上のCPUを選びましょう。


画像出典:Cubase 公式HP

一方、音楽制作ソフト「Cubase」では、Core i5以上を推奨しています。DTM・DAWをはじめたい方は、Core i5 9000番以上のCPUを検討しましょう。音楽制作・動画編集両方やりたい方は、Core i7以上を検討してください。

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メモリ(RAM)とは

続いては、メモリ(RAM)です。メモリは、CPUが計算処理した情報を高速で連絡、一時的に保存する役割があります。作業をするための”机”といっていいでしょう。CPUは高性能であるほどいいですが、メモリは作業に必要な容量があれば十分です。

市場で販売されているパソコンのメモリ容量は、4GB、8GB、16GB、32GBがほとんど。動画編集などの高負荷がかかる作業したい方は、ある程度のメモリ量は必要です。


画像出典:Adobe 公式HP

Adobe社の推奨メモリ量は、最小仕様が8GB、推奨仕様がHD動画編集では16GB、4K動画編集にいたっては32GBを推奨しています。


画像出典:Cubase 公式HP

一方でCubaseが推奨するメモリ量は、8GB以上です。動画編集、DTMどちらもやりたい方は、ぜひ16GBのメモリがついているパソコンを選びましょう。もしくは後から増設するという手段もあります。

SSDとは

パソコンにはデータを保存するために、内蔵ストレージと呼ばれる箇所がります。以前はHDDという記憶装置が主流でしたが、近年ではSSD搭載モデルが増えてきました。

動画編集などのソフトをHDDではなくSSDにインストールすると、データの読み書きが速くなり、より快適に作業を行えます。ですがSSDは低価格のパソコンにあまり搭載されていません。HDDよりSSDのほうが容量当たりの単価が高いので、SSDが搭載されたパソコンは値段も高くなるからです。

SDDの利点としましては、衝撃に強い・速度がとても速い・発熱&消費電力の軽減などあり、高負荷長時間の作業には向いています。

しかしHDD、SSD、同価格帯で比較すると、SSDは非常に保存容量が少ないです。とくに動画編集作業では、動画の時間が長くなればなるほどファイルは大きくなり容量が足りなくなく恐れがます。デスクトップパソコンに搭載されているHDDは、4TB、6TBなどの大容量のモデルまでありますが、SSDは256GBが主流です。

そこでおすすめは、SSDとHDDが両方搭載されたハイブリット型。とくに高負荷な動画編集をしたい方は、SSD256GB、HDD1TB以上のモデルを検討してみてください。

GPUとは

続いてはGPU(グラフィックボード)です。初めて聞くという方もおられるかと思いますが、必ず必要なパーツではありません。しかし、グラフィックボードに対応している有料ソフトを使用する場合であれば、搭載されているモデルを検討すべきです。

GPUとは、グラフィック描写に対して処理を行う装置。つまり画像処理を専門とした頭脳です。

一般的なパソコンであれば、CPU内臓型やマザーボードと呼ばれる部品の中に、直接グラフィックボードが搭載されています。これがオンボード型のグラフィックボード。

一方で映像や画像処理を加速させるため単体GPUを搭載しているモデルでは、3D映像や高画質でプレイできるゲーミングPCや、動画編集に特化したクリエイターPCに搭載されています。


画像出典:Adobe 公式HP

「Adobe Premiere Pro」を使用して、本格的な動画編集がしたい方は、搭載されているモデルを検討しましょう。推奨GPUはAdobe公式ホームページから確認してください。


画像出典:Cubase 公式HP

音楽制作ソフト「Cubase」の方では、Direct X 10、WDDM 1.1 に対応したグラフィックボード (Windows のみ)と記載されています。DirectXというのは、Microsoftが開発したWindowsに搭載されているAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)のことです。パソコンゲームの処理などに使用。

Windowsはもともとゲーム用に作られたものではないため、専用の機能が備わっていませんでした。そのためDirectXをWindowsに組み入れることによって、ゲームや動画といったマルチメディアを快適に処理できるようにしています。

基本的には、オンボード型で問題ありません。使用するソフトが推奨するGPUがあれば、搭載モデルを検討しましょう。

Mac vs Windows

続いてはMacモデルにするか、Windowsモデルにするか考えてみましょう。基本的にMac製品はブランド力がとても高く、Windowsと同じスペックで揃えようと思えばかなり割高になってしまうイメージがあります。

ですがMac製品のアプリやソフトの相互関係を考えると、パソコンもMacにしたほうがよい場合がもちろんあるのです。
例えば動画編集ソフトはMac限定の「Final Cut Pro」を使ってYoutuberになりたいと思っている方は、パソコンもMacである必要があります。音楽制作ソフトに関しては、「Garage Band」が付属。

一方Windowsのメリットとしましては、お値段の割にコスパがよくカスタマイズしやすいということ。メモリの増設も手軽にできますし、自作パソコンを組み立てて販売している個人業者の方もたくさんおられます。

Mac製品の相互関係を考えるとMacのパソコン。同じスペックでお値段を抑えたい方は、Windowsがよいでしょう。

デスクトップ or ノートパソコン

お次に選ぶパソコンをデスクトップにすか、ノートパソコンにするか考えてみましょう。MacBook Proのように高性能なノートパソコンも普及してきた近年。デスクトップ型とどちらにしようか迷うところです。

結論かいうと、旅行や外出が多い方はノートパソコン。自宅で集中して作業したい方はデスクトップパソコンがおすすめ。さらにお値段を抑えて、コスパよく高性能なパソコンを手に入れたい方はWindowsのデスクトップパソコンがおすすめです。

ノートパソコンは持ち運びも便利で、コンパクトなためとても人気。ですが性能をコンパクトにまとめ、持ち運びが便利がノートパソコンに収めているため、逆にお値段が高くなります。デスクトップ型にいたっては手軽に持ち運びはできませんが、大画面のモニターを用意すれば多くの情報を一目で確認できる環境が用意可能です。

高スペックにカスタマイズ!BTOパソコン!

ドスパラWeb

では、そんな高スペックなパソコンを、コスパよく手に入れるためにどうすればよいでしょうか。それは「BTO」と呼ばれる購入システムを使えば可能です。

「BTO」とは「Build To Order」の略で、受注生産を意味します。BTOパソコンのメリットは自作パソコンのようにパーツを自分の好みで選べて、しかも組み立てる必要がありません。もちろんメーカー保証付き。BTOパソコンを購入した後でも、後付けでカスタマイズも可能です。

メーカーパソコンとBTOパソコンを比較すると、同スペックの場合費用はBTOパソコンの方が安くなります。余計な部品が搭載されていないということもありますが、BTOパソコンは販売者と製造元が同一だからです。

BTOパソコンを扱うメーカーも様々ありますが、とくにコスパよく購入できるBTOメーカーで「ドスパラ」「パソコン工房」というメーカーがあります。高スペックなパソコンを費用対効果よく手に入れたい方は、ぜひ検討してみてください。

YouTuberをはじめ、動画編集・音楽制作を本格的に行う方では、BTOパソコンを購入する方が多くおられます。

おわりに

現代では高スペックなパソコンが、BTOパソコンをはじめお値段も抑えて入手できます。高スペックなパソコンを購入したことがない方だとBTOパソコンでもお高く感じますが、人生のクリエイティビティを支える相棒と思えば購入する価値はあるでしょう。

ぜひクリエイターパソコンを1台用意して、皆さんのイマジネーションを加速させてください。