音楽著作権のセーフティネット

著作権のある楽曲を聴く女性

文化的な創作物を保護の対象とする著作権。今回は”はじめての音楽著作権“をテーマに、どうのような行為が著作権侵害にあたるのか解説していきます。

ネットが急速に広がった現代。気づかぬうちに著作権侵害を犯してしまわないためにも、あらかじめ著作権の知識を得ておくことは大切です。

カバー曲によるライブ演奏、ウェブサイト上での使用、飲食店や結婚式場などでBGMとして使用など、それぞれ見ていきましょう。

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音楽著作権の必要性


画像出典:JASRAC

音楽を含む文化的な創作物には、著作権が生まれます。多くのミュージシャンはJASRAC(ジャスラック)などの著作権管理団体へ申請(出版社を経由)。

楽曲が使用された時には、管理団体が代わりに使用料を徴収し、著作者は使用料の分配を受け取ることが可能です。

著作物使用料を払うのは当たり前

様々な著作物と同様に楽曲も、作詞・作曲者をはじめ、それぞれの著作者たち(演者も含め)が多大なる労力をかけて創作するものです。もちろんビジネス以前に、作品が多くの人に届くことは著作者として喜びであり、また新たな作品を作り出す励みとなります。

そして、創作した楽曲が利用される時に正当な対価を得られることも、著作者たちの創作活動、または生活を支えるためにとても大切です。このように、著作権は「創造のサイクル(作品への対価が次の創作を支えていく)」を循環させ、新たな文化を生み出すために欠かせない権利です。

資本主義社会として対価をお金で払うことは決まりであり、「知らなかった」「バレないからいいだろう」という考えは社会人として厳禁です。

著作権の保護期間は死後50年から70年へ

著作権には原則保護期間があり、著作者が著作物を創作した時点から著作者の死後70年(翌年の1月1日から起算)までです。

以前は死後50年となっていましたが、2018年12月30日「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」によって、原則的保護期間が50年から70年になりました。

21世紀型の新たなルールの構築
-TPPは、モノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化を進め、さらには知的財産、電子商取引、国有企業の規律、環境など、幅広い分野で21世紀型のルールを構築するもの。
-成長著しいアジア太平洋地域に大きなバリュー・チェーンを作り出すことにより、域内のヒト・モノ・資本・情報の往来が活発化し、この地域を世界で最も豊かな地域にすることに資する。

引用:内閣官房TPP等政府対策本部

ライブ演奏での音楽著作権

続いては、既存の楽曲を使ったライブ演奏での使用について。こちらはライブ形態によって変わってきます。

少しでも不安な方は、あらかじめJASRACのほうにお問い合わせをすることがいいでしょう。早い場合ですと、翌日には返信が届きます。また、既存の楽曲がJASRAC管理であるか調べるには、作品データ検索サービス「J-WID」よりご確認ください。

JASRAC:お問い合わせフォーム

JASRAC:J-WID

有料ライブ

入場料を取る有料ライブにて既存の楽曲を使用する場合は、管理団体へ申請し許諾を得ることが必要です。

演奏する場所をライブハウスと考えた時、多くのライブハウスはJASRACの管理するレパートリーなら自由に演奏できる包括契約しています。もしライブハウス側が主催するイベントに出演しカバー曲を演奏したとすれば、著作権使用料の負担はライブハウス側ですので申請の必要はありません。

対して自らがライブ・イベントを企画主催し、ライブハウスを”箱”として借りた場合は主催者、またはアーティスト側が管理団体へ申請し許諾が必要です。

ライブハウスやミュージック・バーなどが包括契約をするメリットとしては、企画ライブが自由にでき集客しやすい、またアーティスト側の急な曲変更にも対応できることが挙げられます。

無料ライブ

では無料ライブであれば使用料はかからないのでしょうか。

チケット代が0円の場合は問題ないかといえば、そうではありません。ライブハウスミュージックバーなどでは、少なくとも入場するのにドリンク代がかかります。このような場合、来場者の方が完全に無料で入れるエリアではないと解釈されますので、あらかじめ申請が必要です。

ストリートライブ

許諾が必要ない場所では、ストリートが挙げられます。ストリートライブでは演奏権が及ばないため、許諾を得るのは不要なのです。

演奏権が及ばない要件としまして、”演奏が営利目的ではないこと“、”出演者に報酬が発生しないこと“、”入場料がかからないこと“が該当しなくてはなりません。

ストリートライブ中では、投げ銭(チップ)が行われる時もあります。しかし、投げ銭をしないとライブが見れないわけではありません。投げ銭があった場合も、入場料とみなされないので、許諾は不要です。

ですがチャリティーなどのイベントでは、ケースによって事情が変わります。企画の段階から、JASRACにお問い合わせをしておきましょう。

ウェブサイト上の音楽著作権

続いては、インターネット上の著作権について。

現代は様々なブログサービス、SNSが普及しています。個人が管理するウェブページにて著作権侵害を犯さないためにも、あらかじめ知識を持っておきましょう。

歌詞の掲載

自分の好きなアーティスト、好きな楽曲の歌詞をブログに載せたいという方もおられると思います。しかし、歌詞も著作物の1つなので、無断で掲載することは著作権違反です。

ですがブログサービス自体がJASRACと許諾契約していれば、歌詞を載せることは可能。許諾契約をしているブログサービスは、JASRACのホームページ上で確認できます。歌詞掲載をお考えの方は、自分の利用しているブログサービスが許諾契約をしているのか確認してみてください。

JASRAC:利用許諾契約を締結しているUGCサービスリストの公表について

商用・非商用を問わず、基本的には著作権のある歌詞をウェブサイトに掲載するには、利用許諾が必要です。ですが”引用“という形式を守れば、歌詞を掲載することも可能となります。

引用とは、自己のオリジナル作品中にて、他人の著作物を副次的に紹介する行為です。引用を行うにあたって決められた文字数の制約はありませんが、引用が明確に区分されていること、自分の著作物が主で引用する歌詞が従になっていることが条件です。主従関係が逆転しないよう気をつけましょう。

引用された文章は”引用タグ<blockquote>”で区別しリンクを掲載。歌詞の場合だと、楽曲タイトルと作詞者を載せることで引用元を表記できます。

第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。

引用:公益社団法人著作権情報センター

楽譜の掲載

続いては、ウェブページ上の楽譜掲載について。

楽譜やtab譜の掲載にいたっても、商用・非商用問わず許諾申請、そして使用料がかかります。JASRACと契約済のウェブサイトですと、フッター部分(サイト下部)のほうにJASRAC契約番号が掲載されているはずです。

著作権のある楽曲を再現できる楽譜につきましては著作物とされていますが、楽曲タイトルまたはコード進行に対しては著作物には該当されません。

演奏動画

続いては、演奏動画や音源配信について。

演奏動画または楽曲音源の使用につきましても、著作権のある楽曲を使用するのでもちろん許諾申請が必要となります。ですが動画配信サービスの代表である、YouTubeやニコニコ動画はJASRACと包括契約を結んでいるため申請が必要ありません。

注意する点としまして、使用する楽曲がJASRAC管理曲であること、そして動画配信サービスサイトがJASRACと包括契約を結んでいることを確認する必要があります。そして原曲に対してアレンジ・編曲を加える場合は、権利者またはレコード会社への確認が必須です。

動画投稿(共有)サイトにおけるJASRAC管理楽曲を含む動画の配信利用については、サイトを運営している事業者側が許諾手続きを行っていますので、JASRACと許諾契約を締結しているサイトであれば、動画の投稿者が個別に許諾を得なくても、JASRAC管理楽曲を含む動画をアップロードすることができます。
ただし、利用方法によっては、手続きが必要となるケース等がございますので、以下のフローチャートおよびご利用上のご注意を必ずご確認下さい。

各サイトの許諾の有無(利用の可否)については、「利用許諾契約を締結しているUGCサービスリストの公表について」をご確認ください。

JASRAC:動画投稿(共有)サイトでの音楽利用

おわりに

今回は音楽著作権について解説しました。このように著作権を持つ楽曲を使用する際は、あらかじめどのケースに該当するのか確認が必要となります。もちろん著作権の切れた楽曲を使用する際は、許諾申請の必要はありません。

気のゆるみで著作権侵害を侵してしまわぬよう、最善の注意元、情報発信を行いましょう。

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