今回は、あいみょんさんの「どうせ死ぬなら」のコード進行と簡単弾き語りコードの解説です。
始まりのイントロサビはとてもオシャレな進行でありながら、終わったとたんキャッチーなロックサウンドの効いた曲となっております。
あいみょんさんの作る楽曲は、題名がとてもインパクトのあるものが多いですね。
PV(プロモーションビデオ)も素敵な作品となっています。
それではコード進行の解説にいってみましょう。
コード進行解説
あいみょんさんの「どうせ死ぬなら」のコード進行では、イントロサビの部分と、ラストサビの部分で、ダイアトニックコードには無い、ノンダイアトニックコードが使われております。
ダイアトニックコードとは、対象のスケールから作られる7つのコードを指します。
ここでもダイアトニックコードの表を使い解説しておりますので、ご安心を。
音楽理論初心者の方で理論なんてサッパリという方は、「このコードはあのスケールから来て、こういう効果があるのか」をまず初めに知っていただくだけでも、徐々に理解が深まります。
それではイントロ部分からの解説にいってみましょう。

イントロコード進行解説
作詞作曲:あいみょん
|CM7 |G7/F |GM7 |G7/F |
|Bm7/E |E♭M7 |D7sus4 |D7 |
・イントロ2
|G |C |D |Em |
|C |G |C |D |
まずはイントロ部分の解説です。
楽曲のキーはGメジャーキーとなっております。
ですが出だしのCM7の次が、G7/Fとなっており、すぐさまダイアトニックコードには無い、ノンダイアトニックコードが出てきました。
そしてGM7に行き、またG7/Fに行ってから、Bm7/Eに行っています。
勘の良い方はすぐ気づいたかもしれませんが、こちらはベース音が下向しているクリシェという動きです。
クリシェを取り入れることによって、コード進行に動きや変化をもたらすことができます。
ちなみに、ベースラインだけではなく、コードトーンのメロディラインでも意図して取り入れられることもあります。
例えばG7とGM7の、7thトーンの動きは半音づつの関係です。
G7 | ソ シ レ ファ |
GM7 | ソ シ レ ファ# |
(G/FとG7は、使われている音は同じ)
Bm7/Eの次のコードもまた、ノンダイアトニックコードのE♭M7です。
Gメジャーダイアトニックコードでは、E♭M7は出てきません。
GM7 | ⅠM7 | T |
Am7 | Ⅱm7 | SDⓢ |
Bm7 | Ⅲm7 | Tⓢ |
CM7 | ⅣM7 | SD |
D7 | Ⅴ7 | D |
Em7 | Ⅵm7 | Tⓢ |
F#m7♭5 | Ⅶm7♭5 | Dⓢ |
*ⓢ・・・代理
*T/トニック・・・安定
*SD/サブドミナント・・・少し不安定
*D/ドミナント・・・不安定
Gメジャーダイアトニックコードから見たら、E♭M7の位置するところは、♭ⅥM7になります。
このE♭M7がどこからきたかと言いますと、Gメジャーと同主調のGマイナーキーから登場しました。
Gm7 | Ⅰm7 | Tm |
Am7 | Ⅱm7 | SDmⓢ |
B♭M7 | ♭ⅢM7 | Tmⓢ |
Cm7 | Ⅳm7 | SDm |
Dm7 | Ⅴm7 | Dm |
E♭M7 | ♭ⅥM7 | SDmⓢ |
F7 | ♭Ⅶ7 | SDmⓢ |
*ⓢ・・・代理
*Tm/トニックマイナー・・・暗く安定
*SDm/サブドミナントマイナー・・・暗く少し不安定
*Dm/ドミナントマイナー・・・暗く不安定
以前に解説しました、サブドミナントマイナーコードとして、ここではCm7の代理としてE♭M7が起用されています。
暗く少し不安定なサブドミナントマイナーコードもポピュラーミュージックには、よく出てくるノンダイアトニックコードです。
Cm7を使ってものいいのですが、ここではクリシェのラインを保つためにE♭M7の起用です。
確認のため、Cm7とE♭M7の使われている音を比較してみましょう。
Cm7 | ド ミ♭ ソ シ♭ |
E♭M7 | ミ♭ ソ シ♭ レ |
見てわかる通り、コードトーンはドとレを抜かして一致しています。
例えばこのCm7に、9thのレを足すと
Cm7(9) | ド ミ♭ ソ シ♭ レ |
E♭M7 | ミ♭ ソ シ♭ レ |
これで違いはドの音だけとなりました。
イントロ2では、使用されているコードが全てダイアトニックコード内の物なので、ここではまず、イントロサビでのコード進行の雰囲気を残す、簡単コード進行を1つ作ってみたいと思います。
・イントロサビ
|CM7 |G7/F |GM7 |G7/F |
|Bm7/E |E♭M7 |D7sus4 |D7 |
⇩
*簡単コード進行
・イントロサビ
|CM7 |G7 |GM7 |G7 |
|Bm7 |Cm7 |Dsus4 |D |
これでかなり弾きやすく覚えやすくなったかと思います。
(*B→C→D)
ラストサビコード進行解説
|G |D |Em |G |
|C |G |C |D |
|Em |D |A7/C# |A7 |
|C |D |
最後のエンディング前でのサビのコード進行です。
ノンダイアトニックコードは、Aコードが出てきています。
ちなみにA7/C#のC#は、A7のコードトーンのメジャー3rdの音、つまり3番目の音です。
この3番目の音をルートに使用することによってベースラインで下向クリシェの動きが生まれます。
それでは、このAコードがどこからやってきたかと言いますと、Eメロディックマイナーの4番目のコードのⅣ7から登場しました。
EmM7 | ⅠmM7 | Tm |
F#m7 | Ⅱm7 | SDⓢ |
GM7#5 | ♭ⅢM7#5 | Tmⓢ |
A7 | Ⅳ7 | SD |
B7 | Ⅴ7 | D |
C#m7♭5 | Ⅵm7♭5 | Tmⓢ |
D#m7♭5 | Ⅶm7♭5 | Dⓢ |
*ⓢ・・・代理
*Tm/トニックマイナー・・・暗く安定
*SDm/サブドミナントマイナー・・・暗く少し不安定
*Dm/ドミナントマイナー・・・暗く不安定
*SD/サブドミナント・・・少し不安定
*D/ドミナント・・・不安定
Ⅳ7はサブドミナントコードで、少し不安定なコードです。
サブドミナントコードのメジャー7thコードの使用により、とても切なく、胸が苦しくなるような響きとして機能しています。
ここではもう1つ大事なことがあります。
進行が、DコードからAコードに進んでいることです。
Dコードから見た5番目のコードはAコードです。
つまり5度先のコードに進むことで、感動コード進行のような、我々人間が劇的に感じる進行を取り入れております。
ラストサビでのコード進行は、シンプルにオンコードを省略した進行にしてみましょう。
・ラストサビ
|G |D |Em |G |
|C |G |C |D |
|Em |D |A7/C# |A7 |
|C |D |
⇩
*簡単コード進行
|G |D |Em |G |
|C |G |C |D |
|Em |D |A7 |A7 |
|C |D |
簡単コード一覧
*テンションは省いてもOK
(例:CM7→C)
・イントロサビ
|CM7 |G7 |GM7 |G7 |
|Bm7 |Cm7 |Dsus4 |D |
・イントロ2
|G |C |D |Em |
|C |G |C |D |
・Aメロ
|G |D |C |G |
|C |G |C |D |
|G |D |C |G |
|C |G |C |D |
|D |
・Bメロ
|Em |G |C |D |
|Em |G |C | |
|D | | |
・サビ
|G |D |Em |G |
|C |G |C |D |
|G |D |Em |G |
|C |D |
・間奏
|G |C |D |Em |
|C |G |C |D |
・Aメロ2
|G |D |C |G |
|C |G |C |D |
|G |D |C |G |
|C |G |C |D |
|D |
・Bメロ2
|Em |G |C |D |
|Em |G |C | |
|D | | |
・サビ2
|G |D |Em |G |
|C |G |C |D |
|G |D |Em |G |
|C |D |
・間奏2
|G |C |D |Em |
|C |G |C |D |
・Bridge
|C | |Em |G |
|C | |D | |
|C | |Em |G |
|C | |D | |
|C | |G | |
|C | |G | |
|C | |G D |Em |
|C |G |C |G |
|C |G |C | |
|D | | | |
・サビ33静か)
|G |D |Em |G |
|C |G |C |D |
・ラストサビ
|G |D |Em |G |
|C |G |C |D |
|Em |D |A7 | |
|C |D |
・エンディング
|G |C |D |Em |
|C |G |C |D |
|G |C |D |Em |
|C |G |C |D |
|G ~~||
演奏ポイント
かなり弾きやすくなったコード進行だと思います。
アコギで1本で弾き語りの演奏をするとなると、曲の構成などはご自身でアレンジしてみてください。
例えば、歌の2番を省いてBrigdeセクションに行くとか、歌の1番と2番をやってエンディングに行きエンディング後にサビの後半を静か目に歌って終わるなどなど、ご自身で歌いやすいように考えてみてください。
特にBridge部分でのこちらの進行部分
|C | |G D |Em |
|C |G |C |G |
|C |G |C | |
|D | | | |
G→D→Emと行くとこは力強くストロークしてコードチェンジしましょう。
CとGが交互する進行部分では、できる方はカッティングを取り入れると良いと思います。
Dコードが続く小節では、徐々に徐々に迫力を増すように演奏することを心がけましょう。
そしてサ3の静かなセクションに突入すると同時に、演奏の迫力も一気に弱め、曲調にメリハリを持たせることで、聴き手の感情を揺さぶります。
曲全体を通しても同じで、AメロBメロとサビでの演奏は強弱をつけて演奏しましょう。