【固定ド】と【移動ド】

ソルフェージュを行うための楽譜

今回は【固定ド唱法】と【移動ド唱法】について解説していきます。皆さんもどこか聞いたことのある音楽用語だと思いますが、それぞれの唱法にはメリット・デメリットがあるのです。

また絶対音感や相対音感とも密接な関係を持っており、理解しておくことで耳コピなどでも役立ちます。

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固定ド唱法とは

固定ドとは、対象の音を絶対的な高さに基づき音名読みすることです。日本で実践される音楽教育の土壌には、この固定ド唱法が根づいています。

また固定ドシステムは、絶対音感を持った方に多い読み方です。絶対音感を持った方は、記憶に基づいて音の高さが判断できます。およそ659.3Hz(ヘルツ)の音を聴いた時、それをミ(E)と判断できるのです。

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固定ドのメリット

固定ドが身についている方だと、転調が多い楽曲の譜面もスムーズに読譜することが可能です。また音の高さを常に意識するため、絶対音感が養われやすいメソッドといえるでしょう。

楽器奏者が読譜する場合も、固定ドで演奏します。音楽専門学校などのリーディング(music reading)授業に適用されているのも、固定ドです。

固定ドのデメリット

一方で、ボーカルや歌手の方は話が別です。楽器では正しいポジションを押さえて弾くことで、譜面通りの音がでます。しかし歌手が譜面だけを頼りに歌う視唱では、絶対音感なしに固定ドで歌うことはほぼ不可能です。

譜面上でド(C)の音が指定されていても、自分の発するドの音が正しい音程か判断できません。最低限出だしの音だけでも楽器で出してもらわないと、譜面通りの音かわからないのです。

また楽曲のキー(調)を意識しなくても読譜が可能なため、固定ドだけでは調性や音の機能まで習得するのは難しくなってきます。和音(コード)の機能についても同様です。

移動ド唱法とは

対して移動ドとは、音の高さ(Hz)や調に関係なく、ハ長調(Cメジャー)の「ドレミファソラシ」で読むというメソッドです。長調(メジャー)では主音をド、短調(マイナー)では主音をラに読み替えます。

これは読譜においても同様で、ホ長調(Eメジャースケール)の譜面でもハ長調として読むのです。

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移動ドのメリット

移動ドのメリットとしましては、音の機能が感覚的に掴みやすいことです。移動ドでは、楽曲の調を無視して読むことはできません。そのため主音に当たる音は常にドで、下属音(完全4度)はファ、属音(完全5度)はソ、導音(長7度)はシと決まっています。

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そのため、どの調でも音の機能や音程(インターバル)が感覚的に身につきやすいのです。これは和音(コード)の機能についても同様で、トニックが「ドミソ」、サブドミナントが「ファラド」、ドミナントが「ソシレ」という認識も高まります。

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また音を主音に対する音程で捉えるため、相対的な音程感覚である相対音感が身につきやすいメソッドです。それに加え、主音が分かれば簡単に移調できるというメリットもあります。

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移動ドのデメリット

移動ドのデメリットとしましては、なんといっても読譜がしにくいという問題です。とくに転調の多い複雑な楽曲の場合、主音の読み替えが頻繁に発生します。

そのため転調の多い複雑な楽曲の場合は、移動ドよりも固定ドのほうがよりスムーズに読譜が可能です。

固定ドと移動ドを俯瞰する

それでは多くの絶対音感持っていない方たちは、それぞれのメソッドに対してどう対応しながらトレーニングをしていけばよいのでしょうか。

おすすめとしまして、譜面を読む時は固定ド、音楽を聴く時は移動ドで聴くという方法です。固定ドで行う読譜力を高めつつ、楽曲を相対的に分析する能力を高めていきます。

読譜をする時には調(キー)やコード進行を確認しつつ、演奏しましょう。そうすることで相対的なつながりを見出し、楽曲全体を把握するスピードが上がります。

そして音楽を聴く時は、まず主音(トニック)となる音やコード(ⅠまたはⅥm)を聴き取ることから始めてみてください。楽譜を見ながら聴くことも効果的です。慣れてきましたら、コード進行や転調にも意識しながら聴いてみましょう。

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おわりに

今回は【固定ド】と【移動ド】を解説しました。それぞれにメリットがあり、上手く使い分けることが大切です。また移動ドにいたっては、「ドレミファソラシ」ではなく主音を1度と捉え度数で把握する方もおられます。

優れた音感は、1日にして身につくモノではありません。しかし、日々のトレーニングで徐々に育っていくことは間違いありません。

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