【GLAMOROUS SKY】がカラオケ人気曲となる理由とは

盛り上がっているライブ

今回取り上げる楽曲は、中島美嘉さんがNANA名義でリリースしているカラオケ不動の人気曲「グラマラススカイ」です。この曲は皆さんご存知の通り、映画「NANA」実写版の主題歌でもあり、中島美嘉さん本人も出演。

「グラマラススカイ」には、つい歌いたくなるような要素が様々つまっているのです。音楽理論初心者の方や、一般の方でもわかりやすい内容となっておりますので、一緒に考察していければと思います。

中島美嘉:オフィシャルサイト

「グラマラス・スカイ」作詞・作曲

「GLAMOROUS SKY」の作曲は、L’Arc~en~Ciel(ラルアンシエル)や、VAMPS(ヴァンプス)でお馴染みのHYDE(ハイド)さんです。

HYDEさんご自身もライブでは、英語バージョンを演奏。作詞者は、少女漫画「NANA(ナナ)」の原作者でもある、矢沢あいさんが、AI YAZAWA名義で作詞されております。

「GLAMOROUS SKY」の公表は2005年の実写映画化の時なので、現在(2019年)からおよそ14年前の曲です。2000年初期の作品ではBUMP OF CHIKEN(バンプオブチキン)さんの「天体観測」もカラオケ人気曲としては根強い人気ですが、それに劣ることなく「GLAMOROUS SKY」も不動の人気曲として位置しております。

歌詞から見るロック魂

ここではまず、「GLAMOROUS SKY」の歌詞について考察。楽曲自体とてもロック(反逆の精神)な1曲となっている「グラマラススカイ」。歌詞もかなりその一翼を担っています。

まずAメロの出だしから早速出てくるのがこのフレーズ。

繰り返す日々に、何の意味があるの

「GLAMOROUS SKY」作詞:AI YAZAWA

こちらのワンフレーズは、意識的か無意識的にしろ、かなりの聴き手の共感を誘うフレーズだと思われます。変わりたい、変わらねばいけない、と思いつつも、そのためにはリスクを取って行動を起こさねばなりません。

中々そのリスクを取れず、繰り返す日々を送っている我々現代人には、胸に打ち響く歌詞となっているでしょう。

あの虹を渡って あの朝に帰りたい

「GLAMOROUS SKY」作詞:AI YAZAWA

こちらのサビフレーズは簡単そうで、解釈が難しいフレーズです。サビ出だしの「あの虹」に出てくる、「虹」は抽象的表現でしょう。聴き手それぞれにより、「虹」の想起は違ってくると思います。

「あの朝に帰りたい」というフレーズですが、楽曲全体の歌詞を通すと過去にフォーカスされている歌詞が多くあります。ここも「帰りたい」と歌っているわけなので、過去に向かって発言していると思われるのですが、前フレーズで「あの虹」を渡って進んでいるわけなので、これから先の未来に「あの朝」のような瞬間が、また訪れることを望んでいるようにも解釈できるでしょう。

この夢を抱えて 一人歩くよGLAMOROUS DAYS

「GLAMOROUS SKY」作詞:AI YAZAWA

あの夢を並べて 二人歩いたGLAMOROUS DAYS

「GLAMOROUS SKY」作詞:AI YAZAWA

こちら2フレーズは、どちらもサビ終わりで登場。「この夢を抱えて 一人歩くよ」のフレーズは、私自身に味方がいなくなろうと「一人」で突き進んで行くのだという信念を胸に決心した瞬間だとも捉えられます。

恋人、親しい人、家族、誰も私の見方になってくれなくとも、私は一人で歩いていく。という感じでしょうか。

「あの夢を並べて 二人歩いた」こちらは「一人」から「二人」になっています。LASTサビでは「一人」と歌った後に、2回目のエンディング前で「二人」へ。

我々人間はAIやロボットと違い、感情的な生き物です。ブッタやキリストのように悟らない限り、いくら頭の中では「一人」で突き進んでいくと決心しても、過去のことについて感情的に思考してしまいます。

ここでは「二人」と歌ってますので恋愛観を歌ってるともとれますし、この「二人歩いた」という言葉自体が、「過去」のある一時を指すという人もおられるでしょう。

もちろん漫画の世界のNANA(バンドのボーカル)のポリシーを尊重して歌詞を書かれたのかもしれませんし、NANAのような強い人間でも、弱い面はあるのだと表したかったのかもしれません。

多少なりとも、漫画原作者である矢沢あいさん自身のポリシーが反映された歌詞なのではないでしょうか。

きっと矢沢あいさんも何度もくじけそうになった瞬間があったと思いますが、その都度自分を貫いて生きてこられた方なのかと思います。皆さんは「GLAMOROUS SKY」の歌詞をどう考察するでしょう。

音楽理論的考察

続いては、音楽理論的な考察をしてみましょう。主にコード進行と、歌のメロディラインから分析していきます。

コード進行

・イントロ
|E        |B        |A        |      B  |
|C#m   |B        |A        |         |
|B        |        |

・Aメロ
|E        |B        |A        |          |
|C#m   |B       |A        |A     B  |

|E        |B        |A        |          |
|C#m   |B       |F#m    |          |
|B        |         |

・サビ
|A        |B        |C#m   |G#m   |
|A        |B        |C#m   |      (B A)|

|A        |B        |C#m   |B        |
|A        |B        |C#m   |          |

こちらがメインのコード進行です。曲のキーはEメジャーキーになります。コード進行は、全てダイアトニックコード内のコード。

EM7 ⅠM7 トニック
F#m7 Ⅱm7 サブドミナントⓢ
G#m7 Ⅲm7 トニックⓢ
AM7 ⅣM7 サブドミナント
B7 Ⅴ7 ドミナント
C#m7 Ⅵm7 トニックⓢ
D#m7♭5 Ⅶm7♭5 ドミナントⓢ

*ⓢ・・・代理
トニック・・・安定
サブドミナント・・・少し不安定
ドミナント・・・不安定

コード進行自体はとてもシンプルです。無駄の無いコード進行となっています。ロックギター初心者の方にはぜひ取り組んでもらいたい1曲。

サビでは4度のサブドミナントコードAから始まり、ドミナントコードBに行き不安感を高めさせつつ、暗く落ち着く6度のC#mでコード進行の区切りがきてます。

トニック代理コードのC#mで区切ることによって、どこか悲し気に暗い楽曲という印象を、歌詞と共に表現。この表現の仕方は、シンプルでありながらも、聴き手の共感を強く得られるのではないでしょうか。

実はこのサビでの進行は、ユーロビート系コード進行と言われるコード進行が根底にあります。

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歌のメロディライン

続いては、歌のメロディラインです。サビ以外は割りとメロディの大きな進行は無く、平坦に歌っています。楽曲の音域自体も、ボーカルトレーニングを定期的に受けていない方でも歌いやすい音域ではないでしょうか。

むしろ、サビ以外で盛り上がりを見せたくない曲とも捉えられます。まず曲の構成自体、Bメロが存在しません。1秒でも早くサビの瞬間に到達したいと思わせるような1曲です。

ここで注目してほしいのが、サビの出だしのメロディ。「あの虹を」のフレーズです。
「あ」から「の」に行く過程は、トニックのミから始まり、「の」の部分ではドミナントのシに進行。

あの虹を渡って あの朝に帰りたい

「GLAMOROUS SKY」作詞:AI YAZAWA

つまりサビのメロディラインは、1度のミから5度のシの向かっています。
この1度から5度に向かう進行は、我々人間はとても劇的に感じる進行です。

これはメロディラインだけではなく、コード進行でも同様。世界中で愛される、感動コード進行や、カノンコード進行の初めも、ⅠのトニックコードからⅤのドミナントコードへと進行します。

メロディラインでもそれを取り入れることによって、聴き手に口ずさみさせたくなるように感じさせることが可能です。この1度のメロディから、5度のメロディに飛ぶ進行は歌っていてもとても気持ちの良いと感じる瞬間でしょう。

おわりに

楽曲の作り手は、歌詞だけではなく、コード進行やメロディラインからも、こう感じてほしいという思惑を曲に込めて作り上げてきます。ですが音楽という物は、聴き手リスナーによって、捉え方は様々であり自由です。

今回考察した内容と全く同じだという方もおられれば、「この部分はこうではないか?」と少し違う考察をされる方もいるでしょう。

また作り手の意図を深く感じることによって、自分自身の作品(ここで言う「作品」は人それぞれ)にも、何かしら影響すると思います。

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