今回は古代エジプトやアラビアの世界観を感じられる音階、【ハンガリアン・マイナー・スケール】を解説します。
モーニング娘。の「恋のダンスサイト」など、ポピュラーミュージックにおいても異国的な雰囲気を演出するために使用されるスケールです。
その他にも、民族音楽の雰囲気を感じられるスケールとして【琉球音階】や【スパニッシュ8】もポピュラーミュージックで使用されていますので、合わせてご覧ください。
構成音・・・Tonic、2nd、♭3rd、#4th、5th、♭6th、7th
使用コード例・・・マイナー・メジャー7th
ハンガリアン・マイナー・スケールとは
ハンガリアン・マイナー・スケールとは、その名の通り3度の音がマイナー3rd(♭3rd)の音階で、ハーモニック・マイナー・スケールの4thを#4thに置き換えたものになります。
♭3rdから#4th、そして♭6thから7thという2つのインターバルが民族的な雰囲気を醸し出し重要な要素です。
ここで、Aハーモニック・マイナーとAハンガリアン・マイナーの構成音を比較してみましょう。
ハンガリアン・マイナー・スケールの構成音
ハーモニック・マイナーとハンガリアン・マイナーの違いは、4度の音がパーフェクト4thか#4thの違いだけです。
皆さんの馴染み深い、Aハーモニック・マイナーは、Tonic(トニック)に半音で解決するため、7thのソの音をソ#へ半音上げた音階になります。
構成音・・・ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ
・Aハーモニック・マイナー・スケール
構成音・・・ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ#
そして、Aハーモニック・マイナーとAハンガリアン・マイナーを比較してみます。
構成音・・・ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ#
・Aハンガリアン・マイナー・スケール
構成音・・・ラ、シ、ド、レ#、ミ、ファ、ソ#
このように比較することで、スケールのインターバルを覚えやすくなるでしょう。
ギター指板のハンガリアン・マイナー
それでは、実際にギターでハンガリアン・マイナー・スケールを弾いてみましょう。
使用するスケールは、先ほど比較対象にしたAハンガリアン・マイナーです。
3ノートフレーズ(1弦につき3音)でのエクササイズを、ボックスポジションで3つご用意しました。
箇所によっては左手のストレッチが必要な場面もありますが、ハンガリアン・マイナーのインターバルを意識しながら取り組んでみてください。
ハンガリアン・マイナー/ポジション1
まず最初のポジションは、6弦5フレットを左手小指で始めるハンガリアン・マイナースケールです。
ハンガリアン・マイナー/ポジション2
続いてのポジションは、6弦5フレットを左手人差し指で始めるハンガリアン・マイナースケールです。
ハンガリアン・マイナー/ポジション3
最後のポジションは、5弦12フレットを左手小指で始めるハンガリアン・マイナースケールです。
おわりに
今回は、古代エジプトやアラビアのような雰囲気を醸し出すハンガリアン・マイナー・スケールについて解説しました。
その他にも、琉球音階、スパニッシュ8などの特定の地域のムードが強く感じられる音階はありますので、曲作りに民族音楽の要素を取り入れたいという方はぜひ検討してみてください。