今回もイメージトレーニングについて解説していきます。実践編になりますので、ぜひ普段の生活に取り入れてください。
まずはイメージトレーニングの研究成果から見ていきましょう。
イメージトレーニングの効果
イサカ大学のストラウブ氏らは、男女75名を対象に、8週間のダーツ投げ実験を行いました。
そ実験の前後で、50投の得点を調べました。
75名は5つのチーム分けての実験です。
「Aチーム・特に何のトレーニングをしない」「Bチーム・1日30分50投の練習を週5日」
「C、D、Eチーム・30分の練習を行い、その翌日は30分のイメージトレーニング(スローイングラインに立った自分、指で握っているダーツの感触、リリースの瞬間、ダーツが真ん中に吸いこまれていく瞬間、成功した時の感情など。)」
実験結果は、Bチームの平均得点は67点で、Aチームに比べて有意に成績が上がりました。
これは何のしなかったAチームに比べ、Bチームは練習したのですから当たり前ですね。
ではC、D、Eチームはどうだったでしょう。
実際1番練習量が多いのはBチームです。
イメトレしているから同等またはちょい下の成績かと思いきや、なんとBチームの成績を大きく上回り、このような結果となりました。
Cチーム・101点
Dチーム・141点
Eチーム・165点
かなり衝撃的な結果です。これは実際の練習量だけの時間が重要ではなく、実際の練習とイメージトレーニングを組み合わせることのほうが効果的でかつ重要ということが判明されています。
つまり実際に動いて練習するだけより、実際に動く&イメージのほうが脳の活動が大きいのです。

脳の中の音楽マップ!
イメトレ実践法にいく前に、イメージトレーニングをすることで達成する目標を正確にしておく必要があります。
ミュージシャン・演奏家として、目的となる音楽訓練または楽曲、どこを練習するのか、全体から見て自分は曲のどこを弾いているのかを把握しておきましょう。
まずは頭の中に習得する音楽または曲の、全体の音楽マップを開くところから始めてください。まず目標を定め全体を感じ、技術的な部分、理論的な解釈、徐々に付け加えていくイメージです。これは技術的テクニック単体を習得する時にも意識しておこないましょう。
イメトレ実践6選
それでは楽器演奏者に効果絶大なイメージトレーニング方法を見ていきましょう。通勤、通学中、隙間時間に取り入れてみてください。
周囲の状況を詳細にイメージ
本番での周囲の状況を詳細にイメージすることによって、緊張対策にもなりますし、なおかつ本番での力が発揮されやすいです。
当日の観客席、ステージから見た視野、自分の立ち位置、曲の流れ、ライトの照明、などなど、脳の中にアウェイ感ではなく、ホームの意識が芽生えるはずです。
理想の演奏スタイルを見る
理想やお手本となる演奏を見て、自分自身の演奏に合理的にとり入れるさいに、自分自身が演奏しているイメージをしましょう。
もちろんその時も自分目線で楽器を見ているイメージです。
これは理想のミュージシャン、お手本となる演奏者のテクニックを真似たい、テクニックが欲しい、となった時に、ミラーニューロンという神経が活性化されます。
音楽を聴きながらイメージ演奏
実際に演奏するデモ音源を聴きながら、頭の中で自分が演奏しているイメージをしましょう。
その時は他パートの楽器隊がいるイメージを詳細に持ちましょう。
譜面を見ながらイメージ演奏
覚えるの大変な曲などには打ってつけです。楽譜やギターtab譜を見ながら、頭の中で楽器のポジションをイメージしながら脳内演奏をしましょう。聴きながらイメージトレーニングと組み合わせるのも効果的です。
ワクワクしながらイメージする
少し抽象的な感じがしますが、こちらも効果絶大。ワクワクすること、楽しみながらすることで、脳の報酬系、運動系のホルモンが活発に分泌され、記憶力、習得度の効果が上がります。
こちらは実際の練習にも効果的です。ミュージシャンや楽器演奏者は、何か抽象的な夢や目標があると思います。
音楽で世界を平和にしたい、ビックホールで1万人の歓声を浴びたい、音楽の収入だけで生活していきたい、またはモテたい、あの子にギターを聴かせたい、などなど。今はその道のりの途中で、必要な技術を習得しているんだと思うことで、ワクワクするはずです。
番外編/初心者の方
初心者の方はイメージトレーニングで詳細にイメージすることでも難しいと思います。まずはあまり気にせず、ぼやっとでもいいので全体像をイメージすることを心がけてください。弾きたい曲があるなら、その曲を思い出してみるだけでも記憶力の向上にプラスとなります。
最初は特定の音を、楽器のポジションをイメージしながら確認するだけでも効果がありま慣れてきましたら、次はランダムの音でやってみて、次はスケールポジションへ、というふうに段階を踏んでイメージトレーニングの質を上げていってください。
ケガの時こそイメトレ!
ケガをして、無理してでも練習しようとするのは絶対に辞めてください。完治が長引きますし、なによりケガをカバーするために働いた運動神経やフォームの崩れが、回復後にも残ってしまう可能性があります。
楽器演奏者の中には、今だに「1日休むと感覚を取り戻すのに3日かかる」と思っている方や指導者もおられます。もちろん科学的根拠はありません。しっかりとした休息がさらなる成長を生みます。
とくに睡眠は記憶力や神経の成長に重要な要素です。無理せずケガの完治に励み、イメージトレーニングをしましょう。
イメージと実際の運動とのギャップ
脳はイメージと実際の運動とのギャップを無くすために、最大の力を発揮します。
そのためには脳にイメージを現実だと思わせることが重要です。しっかりと臨場感を持って、細部まで詳細にイメージすることを心がけてください。