今回取り上げるテーマは、循環コードです。循環コード進行とはその名の通り、曲中に繰り返されるコード進行を指します。つまり一定のコード進行が、曲中にほぼループされています。
そんな簡単な作曲法では大した曲は作れないだろうと思う方もおられるかもしれませんが、決してそんなことはありません。循環コードは、聴き手の耳に対して気持ち良くさせる効果があります。
ここではなるべく皆さんが知っていそうなヒットソング、名曲を取り上げて、コード進行とともに紹介していこうと思います。
「We Are Never Ever Getting Back Together」Taylor Swift
まずはこちら、テラスハウス主題歌で一躍日本でも人気となった、テイラースウィフトさんで「We Are Never Ever Getting Back Together」です。
テイラースウィフトさんの「We Are Never Ever Getting Back Together」のメインの循環コード進行はこのようになっています。
この4つです。
曲のキーは、Gメジャーキーになります。Gメジャーダイアトニックコードも見てみましょう。
・Am7 / Ⅱm7 / サブドミナントⓢ
・Bm7 / Ⅲm7 / トニックⓢ
・CM7 / ⅣM7 / サブドミナント
・D7 / Ⅴ7 / ドミナント
・Em7 / Ⅵm7 / トニックⓢ
・F#m7♭5 / Ⅶm7♭5 / ドミナントⓢ
*ⓢ・・・代理
Gメジャーダイアトニックコード
4-1-5-6
「Viva La Vida」Coldplay
続いては、日本でも人気バンドであるコールドプレイより「Viva La Vida」です。
こちらはいい感じにストリングスが効いた、幻想的で壮大な1曲です。
バスドラムの4つ打ちビートも、心臓の鼓動のように訴えかけてきます。
そんな壮大な世界観を持つ「Viva La Vida」ですが、ほぼ循環コードで構成されています。
E♭とFmは、4拍目の8分音符裏から入ります。曲のキーはA♭です。
もしギターで原曲キーを伴奏したければ、1フレットにカポタストを付ければ、演奏するキーがGキーになります。
・B♭m7 / Ⅱm7 / サブドミナントⓢ
・Cm7 / Ⅲm7 / トニックⓢ
・D♭M7 / ⅣM7 / サブドミナント
・E♭7 / Ⅴ7 / ドミナント
・Fm7 / Ⅵm7 / トニックⓢ
・Gm7♭5 / Ⅶm7♭5 / ドミナントⓢ
*ⓢ・・・代理
A♭ダイアトニックコード
4-5-1-6
「Get Lucky」Daft Punk
続いてはファンクな曲からも1曲ご紹介します。ダフトパンクより「ゲットラッキー」です。
ギタリストとしましては、ギターのカッティングがとても心地よく、自然と身体がノッてしまう1曲です。
コード進行はこのようになっています。
・G#m7♭5 / Ⅱm7♭5 /サブドミナントマイナーⓢ
・AM7 / ♭ⅢM7 /トニックマイナーⓢ
・Bm7 / Ⅳm7 / サブドミナントマイナー
・C#m7 / Ⅴm7 / ドミナントマイナー
・DM7 / ♭ⅥM7 / サブドミナントマイナーⓢ
・E7 / ♭Ⅶ7 / サブドミナントマイナーⓢ
*ⓢ・・・代理
|D |Bm7 |F#m7 |E | なので
・暗く少し不安定ー暗く少し不安定ー暗く安定ー暗く少し不安定
F#mキー解釈 / 6-4-1-7
Aメジャーキー解釈 / 4-2-6-5
「Le Freak(おしゃれフリーク)」Chic(シック)
こちらはナイルロジャースさん率いるファンクバンド、シックによる「おしゃれフリーク」です。
とてもファンクな、ソウルフルな1曲です。コード進行はほとんど繰り返しになります。
ダイアナロスさんの「アイムカミングアウト」もカッティングがとてもカッコイイ曲なので、ぜひ聴いてみてください。
「Stand By Me」Ben E King(ベン・E・キング)映画スタンド・バイ・ミー主題歌
こちらは皆さんご存知の、映画スタンドバイミーの主題歌、ベンEキングさんより「スタンドバイミー」です。
映画は時代を感じるシーンももちろんありますが、世代を越えて愛される名作です。そんな素敵な映画主題歌の「スタンドバイミー」も循環コードで構成されています。ベースラインもカッコイイ1曲です。
まずはコード進行を見てみましょう。
曲のキーはAメジャーになります。
Aメジャーダイアトニックコードを見てみましょう。
・Bm7 / Ⅱm7 / サブドミナントⓢ
・C#m7 / Ⅲm7 / トニックⓢ
・DM7 / ⅣM7 / サブドミナント
・E7 / Ⅴ7 / ドミナント
・F#m7 / Ⅵm7 / トニックⓢ
・G#m7♭5 / Ⅶm7♭5 / ドミナントⓢ
*ⓢ・・・代理
|A |F#m |D |E | なので
Aメジャーダイアトニックコード
1-6-4-5
おわりに
循環コード進行の楽曲で、まだまだ素敵な曲が世の中にたくさんあります。皆さんがよく聴いている楽曲の中にも、実は循環コードで構成されている楽曲が1つや2つはあるかもしれません。
楽器を演奏されるミュージシャンの方で「この曲は繰り返しかな」と思ったら、楽器を使ってコード進行を探ってみてください。