中卒ギタリストが「高卒認定試験」を最短合格した【独学勉強法】を読んでくれた方々へ、数学編を個別で解説です。高認を取得したい、社会人、アーティストぜひ一読を。
2014年より、高卒認定試験の数学に新たに「集合と論証」「データ分析」が加わりました。
わからない方も、そのまま読み進めてくれて大丈夫です。
高認試験【数学】出題範囲・配点
高卒認定試験の数学は大問で6問あり、それぞれ解答数も違い配点も違います。
大問2・一次不等式/配点10点
大問3・二次関数/配点15点
大問4・二次関数/配点15点
大問5・三角比/配点25点
大問6・データ分析/配点20点
分析・対策
最短合格法でも書きましたが、高卒認定試験の科目合格最低ラインは40点と予測されています。したがって、中学校でしか数学を勉強していない方は、真っ先に40点を確保する勉強をしましょう。
まず聞き覚えのある大問のテーマを抜き出してみましょう。
・数と式
・一次不等式
・二次関数
この3つは中学生の頃に聞いたことがないでしょうか。
ちなみに大問3と大問4は同じく二次関数がテーマの問題です。
大問1では、(1)(2)(3)とあり、配点がそれぞれ5点づつで合計15点の配点です。
この(3)に出てくるのが、集合、または論証の問題になります。
ここでこの3つの配点を合計してみましょう。
大問2より10点
大問3より15点
大問4より15点
なんとこれだけで50点に到達します。この3つの出題テーマ、しかも基礎的な問題を押さえていまっただけで50点の配点です。
ちなみに平成30年度第1回高卒認定試験、数学大問1の(3)からはこんな問題が出ました。
(3)
四角形ABCDが長方形であることは、四角形ABCDが正方形であるための(カ)。次の①~④のうちから正しいものを一つ選べ。
①必要条件であるが十分条件でない
②十分条件であるが必要条件でない
③必要十分条件である
④必要条件でも十分条件でもない
どうでしょうか。少し勉強したら、答えられそうと感じる方も多いと思います。ちなみに答えは①。これだけで5点の配点です。
次は確実に得点源を得るための力をつける勉強法をご紹介します。
堂々と算数から始める
まったく数学の勉強なんて忘れているという方は、堂々と算数からやり直しましょう。
おすすめの教材はこちら。
教材こだわりなく選んでもらって結構です。薄目のテキストや問題集でかまいません。
算数のテキストはササッと1冊仕上げるだけでスンナリ思い出します。間地秀三先生の本がわかりやすいかと思います。
中学数学
高卒認定試験の数学では、中学数学が理解できれば、かなりの得点源になります。
正の数と負の数から始め、文字式、一次方程式、平方根など、過去問にとり組む前にスピーディに終わらせてしまいます。
仮に「中学校もろくに行ってない」という方でも大丈夫です。簡単な問題から始め基礎的な問題を理解していき、過去問に取り組めば十分受かります。
正の数、負の数
正の数、負の数というのは、+の数と、-の数のことです。
+の数同士の足し算は、小学校で習った足し算とかわりません。
例えば、
5+3=8
これは正の数と正の数の足し算です。
-(マイナス)の入った足し算は、ゲームの得点表などを例にするとすんなり理解できるかと思います。
<例題>
あなたは得点を争うゲームをみんなで楽しんでいるところです。
ですが調子が悪く1回目は-2点、2回目は1点、3回目は-5点でした。
あなたの得点は合計何点ですか?
-2と、1と、-5の合計になります。まずは-同士の足し算です。
-2+(-5)
=-(2+5)
=-7
同じ-同士の得点なんで、-が増えました。
-7+1
=-6
+の得点も1点だけ取っていたので、-が減り-6になりました。
こういう問題から解いていき、徐々に理解を深めていきます。
掛け算と割り算では、式の中の負の数が奇数なら-、偶数なら+です。
2×(-2)×(-2)
=8
2×2×(-2)
=-8
になります。
文字式
文字式もなんてことはありません。
式の中にアルファベットが混じっているだけです。
4×a
=4a
4×b×a
=4ab
数字を先頭にし、文字はアルファベット順に並べ変えます。
1×a
=a
-1×a
=-a
文字式では1は省略されます。
a×a
=a²
文字式でも同様で、二乗は表されます。
平方根、√(ルート)
平成30年度第1回高卒認定試験の数学では、大問1の(3)に分母の有理化の問題が出ています。
しっかりと平方根、√も理解しておきましょう。
例えば、9の平方根とは、二乗して9になる数を指します。
3と-3の2つですね。これが平方根です。
では3の平方根はといいますと、二乗して3になる数はありませんので+の方を√3、-のほうを-√3と表します。
√の計算もしっかりできるようにしておきましょう。
分母の有理化の時に生きてきます。
√3×√5
=√15
√2×√18
=√36
=6
√の中の数の36は6の二乗です。
なので√が外れて答えは6になります。
5√3+3√2-3√3+3√2
=5√3+-3√3+3√2+3√2
文字式と同じように、√が同じ数同士を計算します。
=2√3+6√2
中学数学の基礎ができれば合格にグッと近づきます。
中学数学まで、早めに理解して過去問を解いていきましょう。
因数分解を解いて波に乗れ!
高卒認定試験での大問1では、因数分解・展開に関する問題が必ずといっていいほど出題されます。まずそこですんなり解答することで、テストの波に乗りましょう。
ma+mb=m(a+b)
ma+mbのように、( )カッコをとることを展開といい、
m(a+b)のように、掛け算の形にすることを因数分解といいます。
1問例題を解いてみましょう。
<例題>
2ab+4acを因数分解しなさい。
まず2ab+4acが何で割れるかを考えてみます。
2aで割ることができますね。
つまり解答は、2a( ~ )という形になります。
次は( )の中を考えてみましょう。
( )の中に入るのは、2ab÷2aと、4ac÷2aです。
つまりbと、2cになり、解答は2a(b+2c)です。
2ab+4ac=2a(b+2c)
次はこちら。
x²+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
まず先に、(x+a)(x+b)の展開を考えます。
(x+a)の中の先頭のxを、(x+b)にそれぞれ掛けます。
x(x+b)=x²+bx
次にaも同じくそれぞれ掛けます。
a(x+b)=ax+ab
それをそれぞれ+と、x²+bx+ax+abとなり、
同じ文字数のaxとbxを整理しますと、
(a+b)xとなり、x²+(a+b)x+ab となりました。
これで(x+a)(x+b)=x²+(a+b)x+abです。
ためしに、aとbに数字を入れて問題を解いてみましょう。
<例題>
(x+2)(x+3)を展開しなさい。
まずは慌てずに(x+2)のxを、(x+3)にそれぞれ掛けていきます。
x(x+3)=x²+3x
次は同様に2を掛けていきます。
2(x+3)=2x+6
これを2つ合わせると
x²+3x+2x+6=x²+5x+6となります。
つまり展開式は
(x+2)(x+3)=x²+5x+6 です。
まとめ
以外と簡単だったのではないでしょうか。結局のところ高卒認定試験の数学には、中学数学の延長線上にある問題、なおかつ基礎的な問題が多数出題されます。
中学数学からしっかりと学び直せば、合格点は獲得可能です。何度もいいますが、GM式では確実に50点を得りにいきます。
中学数学の勉強が終わりましたら、次は試験範囲の高校数学も勉強し始めましょう。過去問を使って問題の傾向、主題範囲の傾向を掴めばバッチリです。
試験まで時間が十分にある方は過去問も何回も解いてください。目標は60点、確実に50点です。
勉強時間を確保することも大事なんですが、夜はしっかり寝てください。夜型の型は試験の日が近づいてきましたらなるべく早く身体を朝型に戻していき、試験当日にベストパフォーマンスをできるよう準備しておきましょう。
食べ過ぎも禁止です。食べ過ぎることにより、血液が内蔵に集中しますので、頭が回らず、眠気がきて集中できません。試験の日まで健康的な生活を心がけましょう。
数学はなるべく毎日少しでもいいので勉強してください。分数の足し算から始めて、合格してきた人を僕は何人も見ています。
何度もいいますが、高卒認定試験の問題は基礎的な問題です。必ずあなたも受かります。