今回は曲中にメジャーキーのコード進行と、マイナーキーのコード進行の2つが取り入れられている名曲、ヒットソングをご紹介します(急に曲の雰囲気が変わったり、セクションごとに曲の明るさが違う曲)。
なぜそういう風に聴こえるかというと、その秘密は歌詞や伴奏楽器の選定だけではなく、コード進行の転調が大きく関わっているのです。
コード進行も一緒に解説していきますので、作曲家志望の方だけではなく、楽器初心者、音楽理論初心者の方でもわかりやすくご紹介します。
「シングルベッド」シャ乱Q
1曲目は、名曲「シングルベッド」です。
動画はシャ乱Q結成25周年バージョンなんですが、「♭1」で録音されております。
それでは「シングルベッド」の1番のコード進行をチェックしてみましょう。
|D♭-A♭/C-B♭m7-A♭|
|G♭m A♭sus4-A♭ |
|D♭-A♭/C-B♭m7-A♭|
|B7 |E |
*Aメロ
|E |D#m7 G#7 |
|A B |E |
|G#m7 C#m |G#m7 C#m |
|A |Bsus4 B |
|E |D#m7 G#7 |
|A B |E |
|A B |E-B/D#-C#-C#/B|
|F#m7 Bsus4-B|E B/D#|
*Bメロ
|C#m7 |G#m7 |
|A |G#m7 |
|A |G#m7 |
|A F#m7 |A♭7 | |
*サビ
|D♭ |Fm7 |
|B♭m |Fm7 |
|G♭ A♭/G♭|Fm7-B♭m-B♭m/A♭ |
|G♭ E♭/G |A♭sus4 A♭ |
|D♭ |Fm7/C A♭-F/7|
|B♭m |Fm7 |
|G♭ A♭ |D♭-A♭/C-B♭-B♭/A♭|
|G♭ G♭m |
*間奏
|D♭-A♭/C-B♭m7-A♭|
|G♭m A♭sus4-A♭ |
|D♭-A♭/C-B♭m7-A♭|
|B7 |E |
この2つのキーの関係性は、Eメジャーキーを平行調(構成音が同じ)の「C#mキー」として捉えると見えてきます。
ⅠM7 | EM7 | T |
Ⅱm7 | F#m7 | SDⓢ |
Ⅲm7 | G#m7 | Tⓢ |
ⅣM7 | AM7 | SD |
Ⅴ7 | B7 | D |
Ⅵm7 | C#m7 | Tⓢ |
Ⅶm7♭5 | D#m7♭5 | Dⓢ |
*ⓢ・・・代理
*T・・・トニック(安定)
*SD・・・サブドミナント(少し不安定)
*D・・・ドミナント(不安定)
ⅠM7 | D♭M7 | T |
Ⅱm7 | E♭m7 | SDⓢ |
Ⅲm7 | Fm7 | Tⓢ |
ⅣM7 | G♭M7 | SD |
Ⅴ7 | A♭7 | D |
Ⅵm7 | B♭m7 | Tⓢ |
Ⅶm7♭5 | Cm7♭5 | Dⓢ |
*ⓢ・・・代理
*T・・・トニック(安定)
*SD・・・サブドミナント(少し不安定)
*D・・・ドミナント(不安定)
D♭とは、C#とイコール=の関係です。「シングルベッド」のAメロではEメジャーの明るさがあるコード進行から、BメロではC#mキーを基調とした進行に移り、C#mの同主調(主音が同じ)のC#キー、つまりメジャーキーへのD♭キーに転調したという解釈ができます。
*AメロBメロ/Eメジャー(C#m)
*サビ/D♭メジャー(C#メジャー)
「誘惑」GLAY
続いてはGLAYより「誘惑」です。
「誘惑」もGLAYの中ではアップテンポの代表曲の1つです。
それでは歌の1番のコード進行をチェックしてみましょう。
|N.C|
|Dm |(3/4)Dm|
|Dm |(3/4)Dm|
|Dm |(3/4)Dm|
|Dm |(3/4)Dm|
*イントロサビ
|Dm |B♭ |F |A7 |
|Dm |B♭ |F |A7 |
|Dm |B♭ |F |A7 |
|Dm |B♭ |F |A7 |
*イントロ間奏
|Dm |B♭ |F |A7 |
|Dm |B♭ |F |A7 |
|A7 |
*Aメロ
|Bm |A |Bm |A |
|Bm |G |D |F#7 |
|Bm |A |Bm |A |
|Bm |G |D |F#7 |
*Bメロ
|A | |Bm | |
|G | |A | |
|A | |Bm | |
|G D |F#7 Bm |G |A |
|F#7 |
*サビ
|Dm |B♭ |F |A7 |
|Dm |B♭ |F |A7 |
|Dm |B♭ |F |A7 |
|Dm |B♭ |F |A7 |
Ⅰm7 | Bm7 | Tm |
Ⅱm7♭5 | C#m7♭5 | SDmⓢ |
♭ⅢM7 | DM7 | Tmⓢ |
Ⅳm7 | Em7 | SDm |
Ⅴm7 | F#m7 | Dm |
♭ⅥM7 | GM7 | SDmⓢ |
♭Ⅶ7 | A7 | SDmⓢ |
*ⓢ・・・代理
*Tm・・・トニックマイナー(暗く安定)
*SDm・・・サブドミナントマイナー(暗く少し不安定)
*Dm・・・ドミナントマイナー(暗く不安定)
*Dmダイアトニックコード
Ⅰm7 | Dm7 | Tm |
Ⅱm7♭5 | Em7♭5 | SDmⓢ |
♭ⅢM7 | FM7 | Tmⓢ |
Ⅳm7 | Gm7 | SDm |
Ⅴm7 | Am7 | Dm |
♭ⅥM7 | B♭M7 | SDmⓢ |
♭Ⅶ7 | C7 | SDmⓢ |
*ⓢ・・・代理
*Tm・・・トニックマイナー(暗く安定)
*SDm・・・サブドミナントマイナー(暗く少し不安定)
*Dm・・・ドミナントマイナー(暗く不安定)
こちらはBmキーを平行調のDメジャーキーとして捉えることで、関係性が見えてきます。
つまりDメジャーのメジャーキーから、サビでは同主調のDmのマイナーキーに転調していると言えるでしょう。
ⅠM7 | DM7 | T |
Ⅱm7 | Em7 | SDⓢ |
Ⅲm7 | F#m7 | Tⓢ |
ⅣM7 | GM7 | SD |
Ⅴ7 | A7 | D |
Ⅵm7 | Bm7 | Tⓢ |
Ⅶm7♭5 | C#m7♭5 | Dⓢ |
*ⓢ・・・代理
*T・・・トニック(安定)
*SD・・・サブドミナント(少し不安定)
*D・・・ドミナント(不安定)
Dmのセクションで出てくるA7は、DハーモニックマイナーのⅤ7に当たりドミナントコードです。
Bmのセクションで出てくるF#7も同じく、BハーモニックマイナーのⅤ7のドミナントコードです。
AメロBメロ/Bm(Dメジャー)
サビ/Dm(Fメジャー)
「罪と罰」椎名林檎
続いて椎名林檎さんより「罪と罰」です。
古くからの椎名林檎ファンには外せない1曲だと思います。
それでは歌の1番のコード進行をチェックしてみましょう。
|Fm |~ |
*イントロサビ
|Fm Fm/E |Fm/E♭ Fm/D |
|D♭M7 C7 |Fm7 B♭7 |
|Fm Fm/E |Fm/E♭ Fm/D |
|D♭M7 C7 |Fm7 C7 |
*Aメロ
|F |A7 |
|Dm7 |B♭m7 C7 |
|F |A7 |
|Dm7 |B♭m7 C7 |
*間奏
|Fm7 B♭7|Fm7 B♭7|
|Fm7 B♭7|Fm7 B♭7|
分かりやすくセクションごとの出だしがFmとFで別れています。
Ⅰm7 | Fm7 | Tm |
Ⅱm7♭5 | Gm7♭5 | SDmⓢ |
♭ⅢM7 | A♭M7 | Tmⓢ |
Ⅳm7 | B♭m7 | SDm |
Ⅴm7 | Cm7 | Dm |
♭ⅥM7 | D♭M7 | SDmⓢ |
♭Ⅶ7 | E♭7 | SDmⓢ |
*ⓢ・・・代理
*Tm・・・トニックマイナー(暗く安定)
*SDm・・・サブドミナントマイナー(暗く少し不安定)
*Dm・・・ドミナントマイナー(暗く不安定)
*Fメジャーダイアトニックコード
ⅠM7 | FM7 | T |
Ⅱm7 | Gm7 | SDⓢ |
Ⅲm7 | Am7 | Tⓢ |
ⅣM7 | B♭M7 | SD |
Ⅴ7 | C7 | D |
Ⅵm7 | Dm7 | Tⓢ |
Ⅶm7♭5 | Em7♭5 | Dⓢ |
*ⓢ・・・代理
*T・・・トニック(安定)
*SD・・・サブドミナント(少し不安定)
*D・・・ドミナント(不安定)
|Fm Fm/E |Fm/E♭ Fm/D |
|D♭M7 C7 |Fm7 B♭7 |
Fmのファから、ファ→ミ→ミ♭→レ→レ♭→ド、という動きをしています。
本来FメジャーダイアトニックコードにはB♭m7ではなく、B♭M7があるのですが、使用されているコードはB♭m7。
暗く少し不安定な響きのコードですが、ヒットソングや名曲の至る所で使用されている万能なコードです。
Aメロ/Fメジャー
サビ/Fm
「TSUNAMI」サザンオールスターズ
|D A/C#|Bm7 D/A|
|GM7 A |F#m7 Bm7 |
|G A |F#m7 Bm7 |
|Em7 A7 |D |
*Bメロ
|Gm7 C7 |FM7 Dm7 |
|Gm7 A7 |D A/C#|
|Bm7 |G |
|E7 |A7 |
ⅠM7 | DM7 | T |
Ⅱm7 | Em7 | SDⓢ |
Ⅲm7 | F#m7 | Tⓢ |
ⅣM7 | GM7 | SD |
Ⅴ7 | A7 | D |
Ⅵm7 | Bm7 | Tⓢ |
Ⅶm7♭5 | C#m7♭5 | Dⓢ |
*ⓢ・・・代理
*T・・・トニック(安定)
*SD・・・サブドミナント(少し不安定)
*D・・・ドミナント(不安定)
ですがBメロの出だしはGm7コードです。
しかも、|Gm7 C7 |FM7 Dm7 |Gm7 A7 |
というふうに、Dメジャーダイアトニックコードにはないノンダイアトニックコードが続いていきます。
この、Gm7、C7、FM7、Dm7、が同主調のDmキーから登場したコードになります。
*Dmダイアトニックコード
Ⅰm7 | Dm7 | Tm |
Ⅱm7♭5 | Em7♭5 | SDmⓢ |
♭ⅢM7 | FM7 | Tmⓢ |
Ⅳm7 | Gm7 | SDm |
Ⅴm7 | Am7 | Dm |
♭ⅥM7 | B♭M7 | SDmⓢ |
♭Ⅶ7 | C7 | SDmⓢ |
*ⓢ・・・代理
*Tm・・・トニックマイナー(暗く安定)
*SDm・・・サブドミナントマイナー(暗く少し不安定)
*Dm・・・ドミナントマイナー(暗く不安定)
まずはこの進行の
|Gm7 C7 |FM7 Dm7 |Gm7 A7 |
Gm7とC7は、Dmと平行調のFメジャーキーのⅡm7とⅤ7になります。
ツーファイブ進行をして、FM7へ進行。
Dメジャーに戻るきっかけは、DハーモニックマイナーのV7のA7がドミナントコードとなり、Dメジャーに戻り、サビへ発展していきます。
Bメロ/一時的Dm
「Lemon」米津玄師
続いては米津玄師さんの大ヒット曲「Lemon」です。

こちらの「Lemon」で注目してもらいたいのが、歌の2番のサビ終わりにある、大サビへ橋渡しの役目のBridge(ブリッジ)部分です。
それではコード進行をチェックしてみましょう。
|E B |F# G#m|
|E B |F# D#7|
|E B |A#m7♭5-D#7-G#m |
|C#m G#m |E-F#-Fm7♭5 |
|C#m G#m |E-F#sus4-B |
|B-B/F#-B-D#7|
*Bridge
|Fm D♭|E♭ A♭|
|D♭ A♭|E♭ A♭|
|Fm D♭|E♭ A♭|
|D♭ A♭|E♭ A♭|
|Fm D♭|E♭ A♭|
|D♭ A♭|E♭ A♭|
|Fm D♭|E♭ A♭|
|D♭ A♭|G♭ |
|D♭ |D♭m7 |
「Lemon」ではBridge部分でのみ転調が入ります。
曲全体のキーはG#mキーです。
メジャーキーで見るとBメジャーになります。
*G#mダイアトニックコード
Ⅰm7 | G#m7 | Tm |
Ⅱm7♭5 | A#m7♭5 | SDmⓢ |
♭ⅢM7 | BM7 | Tmⓢ |
Ⅳm7 | C#m7 | SDm |
Ⅴm7 | D#m7 | Dm |
♭ⅥM7 | EM7 | SDmⓢ |
♭Ⅶ7 | F#7 | SDmⓢ |
*ⓢ・・・代理
*Tm・・・トニックマイナー(暗く安定)
*SDm・・・サブドミナントマイナー(暗く少し不安定)
*Dm・・・ドミナントマイナー(暗く不安定)
転調先はFmキーになります。
メジャーキーで見るとA♭メジャーです。
*Fmダイアトニックコード
Ⅰm7 | Fm7 | Tm |
Ⅱm7♭5 | Gm7♭5 | SDmⓢ |
♭ⅢM7 | A♭M7 | Tmⓢ |
Ⅳm7 | B♭m7 | SDm |
Ⅴm7 | Cm7 | Dm |
♭ⅥM7 | D♭M7 | SDmⓢ |
♭Ⅶ7 | E♭7 | SDmⓢ |
*ⓢ・・・代理
*Tm・・・トニックマイナー(暗く安定)
*SDm・・・サブドミナントマイナー(暗く少し不安定)
*Dm・・・ドミナントマイナー(暗く不安定)
パッと見たところ解釈が難しいかもしれませんが、Fmの平行調のA♭メジャーをG#メジャーとして考えれば簡単です。
つまりG#mとして進行していたところ、BridgeではG#メジャーに転調したと解釈できます。G#mのセクションで出てくるD#7は、G#mへのドミナントコードで、G#ハーモニックマイナーのⅤ7です。
曲全体/G#m(Bメジャー)
Bridge/Fm(A♭=G#)
「かたちあるもの」柴咲コウ
続いてドラマ『世界の中心で愛を叫ぶ』主題歌の、柴咲コウさんによる「かたちあるもの」です。
歌の1番のコード進行をチェックしてみましょう。
|A/C# D |E F#m-E |
|D A/C#|Bm |Bm7/E |
*Aメロ
|C C/B |C/B♭ Asus4-A |
|Dm Dm/C#|Dm/C G/B|
|C C/B |C/B♭ Asus4-A |
|Dm Dm/C#|Dm/C G/B-G|
*Bメロ
|G/F C/E |Dm7 G-G/F|
|Em7 FM7 |A#7 |
|E/G#-D/F#-Bm7/E-C#7|
*サビ
|F#m DM7 |E C#7/F|
|F#m-F#m/E-B7/D# |
|Bm7/E F#m-E/G#|
|A/C# DM7 |E C#7/F|
|F#m-F#m/E-B7/D# |
|Bm7/E D/F#-E|
コードの採譜がかなり大変でした。
AメジャーとF#mは平行調ですので、ここではまとめてAメジャーの進行としておきましょう。
ⅠM7 | AM7 | T |
Ⅱm7 | Bm7 | SDⓢ |
Ⅲm7 | C#m7 | Tⓢ |
ⅣM7 | DM7 | SD |
Ⅴ7 | E7 | D |
Ⅵm7 | F#m7 | Tⓢ |
Ⅶm7♭5 | G#m7♭5 | Dⓢ |
*ⓢ・・・代理
*T・・・トニック(安定)
*SD・・・サブドミナント(少し不安定)
*D・・・ドミナント(不安定)
いっぽう、AメロBメロはCメジャーの進行をしています。
*Cメジャーダイアトニックコード
ⅠM7 | CM7 | T |
Ⅱm7 | Dm7 | SDⓢ |
Ⅲm7 | Em7 | Tⓢ |
ⅣM7 | FM7 | SD |
Ⅴ7 | G7 | D |
Ⅵm7 | Am7 | Tⓢ |
Ⅶm7♭5 | Bm7♭5 | Dⓢ |
*ⓢ・・・代理
*T・・・トニック(安定)
*SD・・・サブドミナント(少し不安定)
*D・・・ドミナント(不安定)

ここで登場するAコードはDmへ行くためのドミナントコードです。
転調のきっかけ前に出てくるA#7は、B♭7と同じなので、Cmキーから借用されたサブドミナントマイナーコードです。
サブドミナントマイナーコードのA#7に行き、転調のきっかけとなるこの進行に行きます。
|E/G#-D/F#-Bm7/E-C#7|
つまり、マイナーキーのAmから、メジャーキーのAメジャーへと転調と解釈できます。
AメロBメロ/Cメジャー(Am)
サビ/Aメジャー(F#m)
「ORION」中島美嘉
続いては中島美嘉さんによる「ORION」です。
こちらはドラマ『流星の絆』の挿入曲としても有名になりました。
僕も当時DVDを借りて見たのを覚えています。
では、こちらも歌の1番のコード進行を見てみましょう。
|BM7 C# |A#m7 D#m7 |
|BM7 Ddim |
|D#m7 ›Dm7›C#m7-C#m7/F#|
|BM7 C# |
|A#7-Ddim-D#m7-F#/C#|
|BM7 F#/C#|Bm |
|F# |
*間奏
|DM7 |A/C# |
|Am/C |Esus4 E |
*Aメロ
|A Bm7 |C#m7 C#7 |
|F#m Esus4 |DM7 E |
|A Bm7 |C#m7 C#7 |
|F#m Esus4 |DM7 E |
*Bメロ
|Bm7 C#m7 |DM7 |
|Bm7 C#m7 |DM7 |
|C#7sus4 C#7 |A#aug |
*サビ
|BM7 C# |A#m7 D#m7 |
|BM7 Ddim |
|D#m7 ›Dm7›C#m7-C#m7/F#|
|BM7 C# |
|A#7-Ddim-D#m7-F#/C#|
|BM7 F#/C#|Bm |
|F# |
下降して行く動きのクリシェと、ⅣmのBmがの悲し気な感じが、とても曲の雰囲気を醸し出しています。
ⅠM7 | F#M7 | T |
Ⅱm7 | G#m7 | SDⓢ |
Ⅲm7 | A#m7 | Tⓢ |
ⅣM7 | BM7 | SD |
Ⅴ7 | C#7 | D |
Ⅵm7 | D#m7 | Tⓢ |
Ⅶm7♭5 | E#(F)m7♭5 | Dⓢ |
*ⓢ・・・代理
*T・・・トニック(安定)
*SD・・・サブドミナント(少し不安定)
*D・・・ドミナント(不安定)
いっぽう、AメロBメロではAメジャーキーに転調しています。
ⅠM7 | AM7 | T |
Ⅱm7 | Bm7 | SDⓢ |
Ⅲm7 | C#m7 | Tⓢ |
ⅣM7 | DM7 | SD |
Ⅴ7 | E7 | D |
Ⅵm7 | F#m7 | Tⓢ |
Ⅶm7♭5 | G#m7♭5 | Dⓢ |
*ⓢ・・・代理
*T・・・トニック(安定)
*SD・・・サブドミナント(少し不安定)
*D・・・ドミナント(不安定)
このAメジャーの平行調はF#m。つまりサビでメジャーキーのF#キーに転調と解釈できます。
注目してもらいたいのが「ORION」の最初の間奏部分のコード進行です。
*間奏
|DM7 |A/C# |
|Am/C |Esus4 E |
この進行はまるで徐々に最後のEメジャーコードで解決しているような進行の響きを持っています。
AmコードがEメジャーのサブドミナントマイナーのような錯覚をもたらしています。
しかも結果として、最後のEコードがドミナントコードとなり、Aメジャーへと転調していきます。
もう1つ注目してもらいたいのが、サビへ行く前のA#augコードです。
BM7へ進行するための、半音下のA#augのアプローチです。
augコードは独特の響きですが、上手く布石になっています。A#augとBM7のコードトーンはこうなっています。
A#aug | ラ# レ ファ# |
BM7 | シ レ# ファ# ラ# |
AメロBメロ/Aメジャー(F#m)
サビ/F#メジャー
「ALONE」B’z
最後にご紹介するのは、B’zより「ALONE」です。
「ALONE」もB’zを代表する1曲であります。
それでは歌の1番のコード進行をチェックしてみましょう。
|N.C |
|C G/B |Am G |
|F G |C |
*Aメロ
|C-G/B-Am | G |
|F G |C |
|C-G/B-Am | G |
|F G |
|Am G |D/F# F-G|
|Am G |D/F# E |
*Bメロ
|F G |C-G/B-Am-G|
|F G |Am-G/B-C |
|F G |
|Am-AmM7/G#-Am7/G-F#m7♭5|
|FM7 |Esus4 E |
|N.C |
*サビ
|A E/G# |F#m E |
|D E |A |
|A E/G# |F#m E |
|D E |A |
「ALONE」はAメロBメロではCメジャーキーです。
ですがBメロに入る直前のギターのテーマは、Amキーが基調となっています。
ⅠM7 | CM7 | T |
Ⅱm7 | Dm7 | SDⓢ |
Ⅲm7 | Em7 | Tⓢ |
ⅣM7 | FM7 | SD |
Ⅴ7 | G7 | D |
Ⅵm7 | Am7 | Tⓢ |
Ⅶm7♭5 | Bm7♭5 | Dⓢ |
*ⓢ・・・代理
*T・・・トニック(安定)
*SD・・・サブドミナント(少し不安定)
*D・・・ドミナント(不安定)
そしてAハーモニックマイナーのドミナントコードのEコードがきっかけとなって、Cメジャーの平行調のAmから、Aメジャーへとサビで転調しています。
ⅠM7 | AM7 | T |
Ⅱm7 | Bm7 | SDⓢ |
Ⅲm7 | C#m7 | Tⓢ |
ⅣM7 | DM7 | SD |
Ⅴ7 | E7 | D |
Ⅵm7 | F#m7 | Tⓢ |
Ⅶm7♭5 | G#m7♭5 | Dⓢ |
*ⓢ・・・代理
*T・・・トニック(安定)
*SD・・・サブドミナント(少し不安定)
*D・・・ドミナント(不安定)
N.Cのメロディラインは、イントロが(ド ソ ラ シ ド レ ミ)となっており、サビ前が(ラ ミ ファ# ソ# ラ シ ド#)となっています。
下降の動きのクリシェと、上昇の動きのクリシェを上手く使い分けています。
AメロBメロ/Cメジャー(Am)
サビ/Aメジャー
おわりに
今回のメジャーとマイナーの2面性を持つ名曲、ヒットソングはどうだったでしょうか。
世の中には素敵な2面性を持つ名曲がまだまだたくさんあります。
ぜひ皆さんもお気に入りの曲で、曲調がガラッと変わるシーンがある曲はコード進行を探ってみてください。