【モノトニック・ベース奏法】アコギでソロ・ブルース

モノトニックベース奏法でブルースギターを弾くギタリスト

今回はブルース・ギターから生まれた、【モノトニック・ベース奏法】について解説していきます。ブルース・ギターを学びたい方・アコギでソロギターを弾きたい方は、ぜひご覧ください。

メロディ・ラインに対して何らかの伴奏パートが加われば、ソロギターとして成り立ちます。その最もシンプルなアプローチ法が、モノトニック・ベース奏法です。

親指でピッキングしても良いですし、サムピックを使用してもOK。

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モノトニック・ベース奏法とは

モノトニック・ベースとは、言葉の通り”単調なベース”という意味です。奏法はいたってシンプルかつ簡単で、コードのベース音となる音を1拍ずつ弾くというスタイルになります。

コンスタント・シャッフル・ベース奏法

またモノトニック・ベースのバリエーションである、”コンスタント・シャッフル・ベース“というスタイルがあります。

コンスタント・シャッフル・ベースとは1拍ずつベース音を刻むモノトニック・ベースに対して、ブルースらしさを感じられるリズムである8ビート・シャッフルに合わせてベース音を弾くスタイルです。

モノトニック・ベースに比べて、よりドライブ感が効いた奏法となっています。

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オルタネイティング・ベース奏法

その他にもモノトニック・ベースと並びカントリー・ブルースマンが頻繁に使用した奏法が、”オルタネイティング・ベース“です。

オルタネイティング・ベースとはオルタネイト(交互に)という言葉通り、2つのベース音を交互に弾くスタイルです。

モノトニック・ベースにおけるベース音のミュート

またブルースらしさを表現するテクニックの中では、ベース音のミュートも忘れてはいけない重要なテクニックです。

このミュート・テクニックは、ブルース・ギターだけに使用されるわけではありません。ポピュラーソングのソロギターアレンジなどでも、曲調に抑揚をつけるため頻繁に使用されます。

そしてベース音のミュート法には主に2種類あり、それぞれを使いわけることでさらに表現の幅が広がることは間違いありません。

最初からベース音にミュートをかける方法

1つは、最初からベース音にミュートをかけて弾く方法です。右手付け根あたりをブリッジ・サドルの低音弦側(6~4弦)に乗せておくことで、弾いた時に響かなくさせておきます。

右手の置き場所によってミュートのかかり具合がかわりますので、曲調や表現したいイメージによって変えてみてください。

ポイントとして、ミュート・フォームを用いることでメロディを弾く指の角度が極端に悪くならないよう注意しましょう。

ベース音を弾いた直後にミュートする方法

もう1つは、ベース音を弾いた直後にミュートする方法です。このミュート法を取り入れることで、ベース音をより歯切れよく感じさせることができます。

こちらはとくにコンスタント・シャッフル・ベース時によく使用されミュート・テクニックです。親指でベース音を弾いた直後に、右手の付け根で弦に触れてミュートさせます。スタッカートがついたような表現を感じさせることが可能です。

モノトニック・ベースを攻略する/課題曲『Hey Muscle』

それではモノトニック・ベース奏法にメロディを取り入れて、課題曲『Hey Muscle』を弾いてみましょう。リズムは8ビート・シャッフルで、コード進行はEブルースの省略型です。

■『Hey Muscle』のギターTAB譜は、こちらから無料でダウンロードできます。プリントアウト用に、ぜひご利用ください。
『Hey Muscle』ギタリストマッスル出版

『Hey Muscle』運指ポイント

■E7コードでの左手指使い
3弦1フレットは人差し指、2弦2フレットは薬指、2弦3フレットは小指で押さえます。
■A7コードでの左手指使い
2弦1フレットは人差し指、2弦2フレットは中指、1弦2フレットは薬指、1弦3フレットは小指押さえます。
■B7/F#コードでの左手指使い
6弦2フレットは親指、3弦2フレットは中指で押さえます。

こちらがそれぞれのコード上で推奨する指使いです。オルタネイティング・ベースを取り入れた時など、指使いを変えてもらってもかまいません。

メロディラインで使用される音は、全てコード・トーンです(M3rd・P5th・M6th・m7th)。半音でハンマリング(h)する箇所はブルースらしさを表現するため、暗く感じるm3rd(短3度)から明るいM3rd(長3度)へのアプローチです。

慣れてきたらベース音にミュートも取り入れて弾いてみてください。

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おわりに

今回はモノトニック・ベース奏法について解説しました。ミュート奏法も身につけ、表現の幅を広げてください。

これらのテクニックは何もブルース・ギターやソロギターに限ったことではなく、様々なテクニックの発展にも役立ちます。ぜひモノトニック・ベースを身につけてください。