今回はパソコンで楽譜を作成したい方に向けて、無料で使えるソフト「MuseScore」をご紹介しながら、楽譜を制作する流れを解説していきます。
バンドメンバーやサポートメンバーにスコアを渡したい方、楽譜をPDFデータで送りたい方、ソロギターアレンジのtab譜を制作したい方、自分の生徒にレッスンようのスコアを作りたい方まで、簡単な操作な上、音源再生もできますのでぜひ一度使ってみてください。
有料ソフトの購入を検討している方も、「MuseScore」でイメージ通りの楽譜が制作可能かもしれません。他にも無料で使用可能なソフトはありますが、使いやすさ、ビジュアル、どれをとっても「MuseScore」はおすすめです。
MuseScoreをダウンロード
それでは早速、「MuseScore」公式ホームページよりソフトをダウンロードしましょう。
ダウンロードが終わりましたら、ソフトを立ち上げてください。設定をし、楽譜制作チュートリアルとしてフランス民謡『きらきら星』簡単ソロギターアレンジの楽譜&tab譜を一緒に作っていきましょう。
*『きらきら星』簡単コード進行
|C |F C |G7 C |G7 C ||

MuseScoreの初期設定
「MuseScore」のダウンロードが済みましたら、楽譜の初期設定を行いましょう。
ソフトを立ち上げてから、5ページに記入していきます。タイトルや、細かな設定も後から変更可能です。

MuseScore初期設定/新しい楽譜の作成
ソフトを開きますと、”スタートセンター”が登場します。”+”表示されている”新しいスコアの作成”をクリック。
過去に作成楽譜データもしかっりと残っていまので、好きな時に確認可能です。
MuseScore初期設定/楽曲タイトル
続いては、楽曲のタイトルを記入。ここではタイトル欄に「きらきら星」、サブタイトル欄に「ソロギターアレンジ」と記入しましょう。その他は無記入でOKです。確認したら、右下の”次へ(N)”をクリック。
MuseScore初期設定/楽器の選択
続いては楽器の選択です。今回は『きらきら星』ソロギターアレンジの楽譜を制作するため、”ソロ”の項目から”ギター+TAB譜”を選択。右側に表示されているプレビュー画面では、五線譜とtab譜が2列で表示されています。確認したら、右下の”次へ(N)”をクリック。
MuseScore初期設定/調号(キー)の設定
続いては調号(キー)の設定です。今回はCメジャーキーでアレンジしますので、”#”や”♭”のついていない項目を選択。”テンポ”欄のほうは、今回は無記入でOKです。確認しましたら、右下の”次へ(N)”をクリック。
MuseScore初期設定/拍子の設定
最後に拍子の設定です。『きらきら星』は4/4(4分の4拍子)。今回は、英語の”Common”の頭文字で表記されている、”C”を選択。そして小節数は、”4″小節に設定しましょう。確認しましたら、右下の”完了(E)”をクリック。
MuseScoreで『きらきら星』の楽譜を作成
初期設定が終わったところで、続いては実際に音符を打ち込んでいきましょう。
直感的に操作しやすい画面ですので、難易度は高くありません。
MuseScore『きらきら星』メロディ入力
それでは『きらきら星』のメロディから入力していきます。メロディラインは”ドドソソ、ララソー、ファファミミ、レレドー”です。
最初は①の”N”をクリック。次に、使用する音符の種類をクリック。クリックし五線譜のほうに”矢印”を動かすと、記入前の音符も表示されていると思います。あとは目的の位置でクリックすれば入力完了です。
2小節目の2拍目まで入力し終わったら、3拍目の音符は2分音符です。そこでもう1度②に戻り2分音符をクリック。すると入力される音符が4分音符から2分音符に変更されています。
この要領で、残りのメロディラインも埋めていきましょう。五線譜に音符を入力すると、自動的にtab譜の入力も完了します。tab譜のポジションを変えたいと思ったら、数字をドラッグ&ドロップで目的の位置まで移動されるだけでOKです。
MuseScore『きらきら星』ベースライン入力
続いてはベースラインを入力。ベース音を入力するために、”声部”を分ける必要があります。そこで右上に表示されている”2″をクリック。ここではベース音として使用する音符は、2分音符と全音符を選択。先ほどと同じ要領で音符を入力していきます。
MuseScore『きらきら星』コードトーン入力
ベースラインも入力しほとんど完成しましたが、コードトーンを付け足しもう少しアレンジを加えていきましょう。
まず声部の入力番号を①に戻り、”1″に設定。その後、コードトーンを付け足したいメロディラインと同じ種類の音符を②で選択します。ここでは1拍目と3拍目にコードトーンを加えましょう。
先ほど同じ要領で音符を入力。2小節目の1拍目でコードトーンの”ド”を入力すると、tab譜では2弦1fの表記になる可能性があります。その時はtab譜上で数字をドラッグし、3弦にドロップで完成です。
MuseScoreコード名入力
続いてはコード名を入力。まずコード名を表示したい箇所の音符をクリック。どちの声部の音符でもかまいません。クリックし音符を指定、次にキーボードで”Ctrl”+”K”。するとコード名を入力するスレッドが出現します。
または左上の”追加(A)”をクリックして、”テキスト(T)”→”コード記号”でもOKです。
MuseScore tab譜の表示変更
これで完成なのですが、tab譜の表記に”符幹”や”符尾”を付け足したいという方もおられるかと思います。そんな時は、ショートカットキーで” I “、または左上の”編集(E)”から”楽器”をクリックします。
すると譜表の種類を選択できるポップが出現しますので、Tablature欄の”タブ譜 6弦 簡易”から”タブ譜 6弦 共通”へ変更してください。
“タブ譜 6弦 完全”でも可能ですが、2分音符表記ではトリルのような表記が付随されるので、あまりおすすめはできません。
楽譜制作のポイント
楽譜制作のポイントとしまして、誰にでも見やすいように作成するということが大切。楽譜をパッと見て、瞬時に情報を把握できるような譜面が理想的です。
ただ小節の連続になるのではなく、1番と2番の区切り、またはセクションごとの区切り、AメロとBメロの表記(ⒶやⒷ)、リピートマークの使用、4小節ごとの段落など、これらのことは「MuseScore」の”パレット”欄からドラッグ&ドロップで簡単にできます。
バンドメンバーやサポートメンバーに渡すため、もしくは販売用に制作した楽譜の場合はとくに注意しなければなりません。
*小節の追加は右クリックから”追加”を選択、または”Ctrl”+”B”。
おわりに
今回は楽譜制作ソフト「MuseScore」をご紹介しました。その他にも、プロも使用し圧倒的シェアを誇るFinale 26や、ギタリストのために作られたGuitar Pro 7
などの有料ソフトがあります。
もちろん有料ソフトであれば、本格的な楽譜制作が可能です。ですが無料でここまでできる「MuseScore」を使わない手はありません。
有料ソフトのご購入を検討している方がいらしたら、まず「MuseScore」を使ってみて、自分のイメージ通りにできない点をピックアップしてみましょう。ある程度のことは「MuseScore」でもできますので、きっと細かな点だと思います。その後、改善点がマッチする有料ソフトを購入してみるとよいでしょう。