今回はミュージシャンなら必修科目と言ってよい、ロックやブルースで多用される「ペンタトニック・スケール」について解説します。
ポピュラーミュージックにおいても、ペンタトニックの存在は欠かせません。
ペンタトニックスケールのペンタ(Penta)という言葉は、『5』を意味します。
5つの音から構成される音階であり、まさに選び抜かれた5人の戦士が集まった万能なスケール。
まずはペンタトニックスケールを、Cメジャースケールと比較しながら見ていきましょう。

メジャースケールとペンタトニックスケール
こちらはCメジャースケールになります。
ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド
Cメジャーペンタトニックスケール
続いてこちらが「ド」から始まるCメジャーペンタトニックスケールです。
ド レ ミ ソ ラ ド
Aマイナーペンタトニックスケール
こちらはCメジャーと平行調の、「ラ」から始まるAマイナーペンタトニックスケールです。
ラ ド レ ミ ソ
ギター指板上のペンタトニックスケール
次に、ギターの指板上で「このポジションはおさえておきたい!」という2つのペンタトニックスケールのポジションご紹介します。

ペンタトニックスケール/ポジション1
こちらは6弦5フレットから始まるAマイナーペンタトニックスケールです。
まずはこのポジションをしっかり覚えておきましょう。
こちらはポジション1を発展させたスケールポジションです。
3弦7フレット、2弦8フレット、1弦10フレット
ペンタトニックスケール/ポジション2
続いて、5弦12フレットから始まるAマイナーペンタトニックスケールです。
こちらはポジション2を発展させたスケールポジションです。
2弦15フレット、1弦15フレット
マイナーブルースペンタトニックスケール/番外編
さらに番外編として、Aマイナーブルースペンタトニックです。
こちらのマイナーブルースペンタトニックスケールでは、5音階のマイナーペンタトニックスケールに、ブルース特有のダークな響きもたらすブルーノートと呼ばれる♭5th(AマイナーペンタトニックではE♭)を加えたスケールになります。
ジャズ、R&B、ファンク、ロックまで、ブルースから発展した現代のポピュラー音楽の支柱と言うべきスケールでもあります。
ペンタトニックのギターソロ
それでは、実際にヒット曲からペンタトニックスケールを使ったギターソロを見ていきましょう。
エリック・クラプトン「Cross Road」
こちらは世界3大ギタリストの1人、エリック・クラプトンで「クロスロード」です。
原曲は、偉大なるブルースギタリスト、ロバート・ジョンソンによるものです。
ギターソロ中のコード進行は、Aブルース進行となっております。
|D7 | |A7 | |
|E7 |D7 |A7 | |
ラ ド レ ミ ソ
・Aメジャーペンタトニック
ラ シ ド# ミ ファ#
ジミー・ヘンドリックス「Hey Joe」
続いて、ギターの神様と言われる、ジミヘンことジミー・ヘンドリックスによる「Hey Joe」です。
ギターソロ中のコード進行はこちら
|C G |D A |E | |
Cコードのルートのドの5度先のソへ、Gコードのルートのソの5度先のレへ、のようにEコードまで5度進行で進んでいきます。
ミ ソ ラ シ レ
ノエル・ギャラガー(Oasis)「Don’t Look Back In Anger」
続いて、イギリスの裏国歌と呼ばれる、Oasisによる「Don’t Look Back In Anger」です。
ギターソロ中のコード進行は
|F Fm|C |G |G#dim|
|Am G |F |G | |
ⅠM7 | CM7 | T |
Ⅱm7 | Dm7 | SDⓢ |
Ⅲm7 | Em7 | Tⓢ |
ⅣM7 | FM7 | SD |
Ⅴ7 | G7 | D |
Ⅵm7 | Am7 | Tⓢ |
Ⅶm7♭5 | Bm7♭5 | Dⓢ |
*ⓢ・・・代理
*T・・・トニック(安定)
*SD・・・サブドミナント(少し不安定)
*D・・・ドミナント(不安定)
まずFmコードは、Cメジャーと同主調のCmダイアトニックコードからの借用コードになり、サブドミナントマイナーコードです。
G#dimコードは、次のAmコードへ行くためのドミナントコードで、AハーモニックマイナーダイアトニックコードのⅦdimコードです。
ド レ ミ ソ ラ
おわりに
世界中には「ペンタトニックスケール+α」で構築されている、カッコイイギターソロがたくさんあります。
ぜひ皆さんもペンタトニックスケールをマスターして、レベルアップしましょう。