【音階×音律】歴史/ドレミの誕生

歴史的名画

今回は音階と音律の歴史について、みなさんと考察していこうと思います。
ドレミの始まりから現代のポピュラーミュージックまで至るまでに、様々な歴史がありました。

今回はそんな音楽史をわかりやすく解説し、皆さんの音楽LIFEに少しでもお役に立てればと思います。

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ピタゴラス「万物の根源は数である」

ドレミファソラシドの音階を世界で初めて作り出したのは、あの「三平方の定理」で有名なピタゴラスでした。

歴史上では、紀元前580~500年頃とされています。少しずれはあると思いますが、ほとんどゴータマ・シッダールタブッタ)と同時代人です。

ピタゴラスはピタゴラス教団というものを作り、弟子たちはそこで学んだことを口外することを禁じられ、また弟子の発見したことはすべてピタゴラスの発見とされていたともいわれてます。

当時の時代背景としますと、輪廻転生をはじめ、魂を清めていくための学問であり、音楽もまた、に近づくため、神との対話の儀式として扱われました。


出典:Wikipedia

協和音

ある対象の物と、もう1つの対象の物がぶつかれば、必ず音が発生します。ある時ピタゴラスは鍛冶屋の鳴らすハンマーの音に、美しく響き合う音とそうでない音があるのを発見しました。

中でもハンマーの重さが2:1と、3:2の場合は特に美しいことを発見し、神の声を聞くため音階の研究に没頭します。

当時の実験としましては、まず初めにモノコードと呼ばれる日本ののような、一弦琴を使用します。

弦のテンション(張り具合)を同じにしたモノコードをA、Bと2つ用意し、Aの弦を基準とし、Bの弦の長さを調節しながら、AとBの音が調和する音を探りました。

そこでもっとも調和するのは、Aの弦の長さに対しBの弦の長さを半分にした時でした。さらに探っていくと、Bの弦の長さを2/3(3分の2)にした時も、良い響きであることを発見します。

そこで発見された2/3の弦の長さをさらに2/3にし、そこで得られた弦の長さをまた2/3にしていくという作業をくり返しました。こうしてできたのがピタゴラス音階のドレミファソラシドで、ピタゴラスは数字を使い神の声を聞けたわけです。

とくにピタゴラスが発見した「ユニゾンのドとド」「オクターブ上のドとド」「ドとソ」「ドとファ」は現在のポピュラーミュージックでも、完全協和音として使われています。

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・ピタゴラスがドレミの「祖」
・弦の長さをシンプルに変えることで音の響きを発見し、神の証しとした
・現在でも完全協和音として使用されている(完全1度、完全8度、完全5度、完全4度)

音楽と宗教

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世界中の宗教を見てわかる通り、宗教の中には必ずといっていいほど音楽があります。お経や、教会音楽などがそうです。

音楽は神へ捧げ物ですが、もう1つの効果といえば信者を変性意識状態にすることができるということです。人間はある旋律を一定時間聴くと、意識がハイになり気分がよくなっていきます。

現代の若者たちも、クラブなどで体験したことがあるのではないでしょうか。

悪意のあるカルト宗教などでは音楽を洗脳の道具として使うかもしれませんが、現代宗教の中では、学びとしての音楽、癒しをもたらす音楽として使われております。

当時の時代では、キリスト教がピタゴラス音階を採用しました。

純正律

西洋では、教会音楽、つまり聖歌が主流。神に捧げる美しい音楽を表現ために、ピタゴラス音階を使用していました。

聖歌は、単旋律で歌われていたのですが、11世紀頃から多声音楽(ハモリパート有り)が教会を中心に進展していきます。

さらに15世紀以降、多声音楽が複雑かしていき完全5度や完全4度以外の和声も使われるようになり、ピタゴラス音階の音律では響きの美しさに違和感がもたれるようになってきました。

そんな中、バルトロメ・ラモスによって「純正律」が発表。純正律の導入により、3度や6度の和声も美しく響くようになりました。さらにここで、ピタゴラス音階と純正律の振動数比をみてみましょう。

ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド

・ピタゴラス音階
1 , 9/8 , 81/64 , 4/3 , 3/2 , 27/16 , 243/128 , 2

・純正律
1 , 9/8 , 5/4 , 4/3 , 3/2 , 5/3 , 15/8 , 2

ご覧いただくとわかる通り、振動数の比率が純正律のほうがかなりすっきりしています。
この純正律のドミソの和音の数比は、1:5/4:3/2=4:5:6です。

このシンプルな比率と、響きの美しさが、キリスト教義の三位一体と当てはまり、ピタゴラス音階から純正律へとシフトチェンジしていくのです。

ちなみにポップス界だと、純正律を使用されているアーティストでは、Enya(エンヤ)さんは世界的にも有名。

平均律


出典:Wikipedia

そんな中、1636年マラン・メルセンヌより、「平均律」が発表されました。
この「平均律」が、現代のポピュラーミュージックで使われている音律です。

どういう音律かといいますと、1オクターブを12等分し、隣り合う音の周波数比を等しくしたものが平均律です。平均律を発表したメルセンヌは、実は数学者であり、そして物理学者神学者でもありました。

メルセンヌは機械論の支持者であり、世界は霊魂を持たぬ受動的な機械ととらへ、この世界は全て神によって完璧に作られており、数学的自然法則によってすべてが整合していると主張した人でした。

つまりメルセンヌからしたら、より美しい響きを求めることより、数学的な均一音階のほうが正しいという立場です。

ちなみに当時から著名なモーツァルトやベートーヴェンも、平均律を採用しませんでした。ですが、この平均律が教会の主役の音律となり、19世紀には平均律で製造されたピアノが大量生産されるようになっていきます。

17世紀の自然科学の邁進の影響もあってか、この均一な平均律はすぐさま採用されたわけです。メリットとしましては、平均律のおかげで転調が容易にできるようになりました。つまり、曲のバリエーションが一気に増加。

ピタゴラス音階では異名異音だったド#とレ♭が、平均律では異名同音となったわけです。

絶対音感

そんな平均律が基準となっている現代ポピュラーミュージックですが、では絶対音感はあったほうが良いのかというと、僕自身はなくてもいいという立場です。

絶対音感とは平均律のドレミファソラシドを覚えてしまっているだけなので、多少の音楽的ハードルは相対音感でまかなえます。

とくに絶対音感の持ち主で、国際基準の440Hzのラ以外の、ラ(442Hzのラ)を聴くと、強烈な違和感を覚える方もいるそうです。

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・相対音感を鍛える

おわりに

今回は音階の歴史について見てきました。音律について知らなかった方には、新鮮ではなかったでしょうか。

ポピュラーミュージックの音律が、決して悪いわけではありません。現代には現代の良さがあり、楽曲バリエーションは日々多彩になっています。

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