今回はアコースティックギターを使って、スラム奏法(ボディヒット)を行う方法を解説していきます。スラム奏法とは、アコギのボディや弦を叩きながらパーカッシブに演奏することです。
スラム奏法(ボディヒット)と聞くと、少し難しいイメージがあるかもしれません。しかし基本パターンを攻略することで、すぐに演奏に取り入れることが可能ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
今回はスラム奏法の基本パターンから、実勢的なギター・エクササイズもTAB譜付きで解説。アコギの弾き語りはもちろん、ソロギターにも応用可能です。
スラム奏法とは
スラム奏法とはアコースティックギター奏法の1つであり、ギターのボディや弦を叩いてパーカッシブなリズム音を出す奏法です。
スラム奏法の利点は、なんといっても演奏がパーカッシブになること・ダイナミクスが稼げることです(曲調に緩急がつけられる)。とくにアコギ1本で弾き語り、またはソロギターを演奏するときなど、スラム奏法を取り入れることでより演奏がパワフルに感じられます。
ではどのタイミングでアコギを叩くのかといいますと、主にドラムパターンの”バスドラム”・”スネアドラム”が鳴る拍で、それぞれのサウンドに合った箇所を叩きます。
スラム奏法のリズム
*ドラム・8ビート基本パターン例
ドラムパターンといっても、多数の基本パターンがあります。その中でも注目すべきポイントは、バスドラムとスネアドラムです。
スラム奏法では主に1拍目・3拍目にバスドラム音、2拍目・4拍目にスネア音を鳴らすように演奏します。基本は表拍のストロークに合わせてスラム奏法をしますが、裏拍にアタック音が入るパターンや4分音符でバスドラム音だけをきざむパターンなどもあり、楽曲の曲調やプレイヤーによってリズムパターンは様々です。
スラム奏法でギターの叩く場所
バスドラム音とスネア音を鳴らすために、ギターの2カ所を叩きます。まずバスドラム音に当たるのが、サウンドホールの上部分です。ここを右手掌底部分でヒットさせます。そうすると「ドスッ」と低音が鳴るはずです。
そしてスネア音に当たるのが、低音弦がフレットに当たる音です。このサウンドを鳴らす方法は、主に2つあります。1つは右手の指を伸ばした状態で、弦をフレットに叩きつける方法。もう1つは右手の親指で、低音弦を叩きつける方法です。
右手の親指で低音弦を叩くスタイルは、親指以外がフリーな状態。なのでソロギタースタイルのプレイヤーに好まれる方法です。
スラム奏法ギター・エクササイズ
それではスラム奏法を身に着けるための、ギター・エクササイズを解説していきます。ここで身に着けた基本パターンを基準に、さらなる応用パターンへの発展も可能です。
メトロノームのテンポを、60~80程度に合わせて行ってみてください。
スラム奏法エクササイズTAB.1
最初のエクササイズはこちら。2拍目・4拍目表に、スネアドラム音だけを鳴らすスラム・パターンです。メトロノームをつけて、2拍目と4拍目表に右手親指で低音弦を叩きつけましょう。スネアドラム音に当たる、「チャッ」というサウンドが鳴るはずです。
スラム奏法エクササイズTAB.2
続いてのエクササイズは、エクササイズ1にバスドラム音を付け足したスラム・パターンです。1拍目・3拍目表に、右手掌底部分でサウンドホール上部をヒット。2拍目・4拍目表に、右手親指で低音弦を叩きます。
スラム奏法エクササイズTAB.3
続いてのエクササイズは、エクササイズ2の3拍目が8分音符になったスラム・パターンです。3拍目表と8分裏で、右手掌底部分を2回ヒットヒットさせます。「ドン・チャッ・ドンドン・チャッ」と、サウンドイメージしながらプレイすることも大切です。
スラム奏法エクササイズTAB.4
続いてのエクササイズはこちら。エクササイズ3の3拍目バスドラム音が、8分裏だけに鳴るスラム・パターン。裏拍でバスドラム音を鳴らすのが難しいかもしれませんが、こちらも「ドン・チャッ・ン ドン・チャッ」とサウンドイメージしながら取り組むことが効果的です。
スラム奏法エクササイズTAB.5
続いてのエクササイズでは、実際にコードを交えてスラム奏法をプレイしてみましょう。使用するコードは、C・G・Am7・Fコードの4つです。エクササイズ5では2拍目・4拍目表に右手親指で低音弦を叩きつけながら、指を使ってストロークします。
右手親指を叩きつけると同時に、指を開くようにストロークしてみてください。
スラム奏法エクササイズTAB.6
続いてのエクササイズでは、エクササイズ5にバスドラム音が加わったスラム・パターンです。スネアドラム音を鳴らす時同様、右手掌底部分を叩きつけると同時に指を開くようストロークします。
スラム奏法エクササイズTAB.7
最後のエクササイズでは、エクササイズ6の3拍目バスドラム音が8分音符で2回鳴らすスラム・パターンです。スラム奏法に慣れてきましたら、様々なストロークパターンと組み合わせてみてください。
おわりに
今回はアコースティックギターでパーカッシブに演奏できる、”スラム奏法”について解説しました。ここで解説したパターン以外にも、フィルインをイメージしたアコギの下部分やサイド部分を叩くパターンなど多数あります。
また、スラム奏法をセクションよって使い分けることも効果的です。例えば楽曲のサビ部分だけスラム奏法を取り入れることで、Aメロ・Bメロとのダイナミクスの緩急が生まれます。
スラム奏法の組み合わせ方は多岐にわたりますので、ぜひオリジナルのスラム・パターンを作ってください。