アコースティックギターの世界では、とてつもないテクニックや、革新的なアレンジアプローチをする方々がたくさんおられます。それこそ世界に目を向ければ、恐るべきテクニックを持ったギタリストがおられるでしょう。
日本国内では、押尾コータローさんや、クラッシックギタリストの村治佳織さんなどが、メディアに取り上げられる回数も多く有名かもしれませんが、まだまだたくさん素晴らしいアコギプレイヤーの方々がおられます。

【ギタリストマッスル出版】
日本が誇るフィンガーピッカー
イメトレ編でも書きましたが、やはり見ることも重要な上達法の1つ!今回はフィンガーピッキング、主にソロギターに卓越したアコギの達人たちを紹介しながらテクニックの解説、おすすめの教材をご紹介していきます。
押尾コータロー
まずは皆さんお馴染みのソロアコギプレイヤー、押尾コータローさんです。
オリジナル楽曲以外でも、様々なJ-POPソングのソロギターバージョンを発表されております。
宇多田ヒカルさんの「First Love」のソロギターアレンジバージョンでは、6弦からC G D G B D(ド・ソ・レ・ソ・シ・レ)チューニングとなっております。
押尾コータローさんは様々な変則チューニングを使用することによって、プレーの幅を最大限に引き出すいいお手本
押尾コータローさんの楽曲をコピーするまで至らなくても、表現力多彩なフィンガーピッキング、それに加えパーカッシブなプレイのある演奏は、上達の過程では必見でしょう。
村治佳織(クラシックギター)
クラシックギター界の女王、村治佳織さん。村治佳織さんは卓越したテクニックをお持ちのクラシックギタリストです。
ご自身の楽曲やクラシック音楽以外にも、様々な楽曲のソロアレンジも発表しております。
卓越したテクニックも見所なんですが、やはり多大なる表現力が注目ポイントでしょう。
ギター1本で表現力豊かに演奏するには、各ポイントでのボリュームバランスや、伴奏部分でのアルペジオ音符の配置、ビブラートのポイントなどなど、様々な要因を駆使しなければなりません村治佳織さんからそういったポイントを学べることは多いでしょう。
クラシックギターの雑誌「月刊現代ギター」では、演奏方法の解説などに加え、J-POPソングのソロギターアレンジの楽譜まで掲載されています。
決してクラシックギターで演奏しなければいけないということはないので、お気に入りのアレンジが見つかれば、取り組んでみることをおすすめします。
岡崎倫典
J-POPソロギターアレンジと言えばこのお方、アコギ界の巨匠、岡崎倫典さんです。アコギプレイヤーとして数々の実績を残し、多大なる楽曲のソロギターアレンジをされております。
実は上記でご紹介した、押尾コータローさんの師匠にあたる方です。雑誌「アコースティックギターマガジン」では、岡崎倫典さん専門コーナーのJ-POPソロギターアレンジ特集が毎号掲載されております。
岡崎倫典さんのソロギターアレンジの難易度は高めですが、「このアレンジは岡崎倫典さんのアレンジだな」と聴けばすぐにわかるようなインパクトの大きいアレンジも随所で見られます。さらなるレベルアップを目指す方はぜひチャレンジしてみてください。
南澤大介
ソロギター楽譜「ソロギターのしらべ」シリーズでお馴染み、南澤大介さんです。ソロギターに取り組んでいる方は、1家に1冊持っているといっても過言ではない「ソロギターのしらべ」の著者です。
「ソロギターのしらべ」では様々なシリーズがあるだけではなく、難易度も曲によって変わるので、ソロギター初挑戦の方でも1冊買ってみることをおすすめします。
打田十紀夫
多くの教則本を出版する、打田十紀夫さん。ブルースギター、ボトルネック奏法など、様々なアコギテクニックを分かりやすく解説されております。
とくにこちらの「カントリーブルースギターバイブル」では、フィンガーピッキング入門者の方から取り組める内容です。根底からフィンガーピッキングのレベルアップには必須の1冊。
江部賢一
クラシックギター界の師匠、江部賢一さん。クセのない安定したソロギターアレンジの楽譜集は、ソロギター中級者へのステップアップへの必須アイテムです。
数多くのソロギタープレイヤーが、江部賢一さんアレンジ集に取り組み腕を磨いてきました。
江部賢一さんは、残念ながら2015年12月24日にお亡くなりになっておられます。YAMAHA社が運営する「ぷりんと楽譜」では、江部賢一さんがアレンジした楽譜が販売中です。
番外編・海外フィンガーピッカー
番外編として、動画で視聴できる海外フィンガーピッカーをご紹介します。圧倒的なテクニックを見ることで、フィンガーピッキングのイメージの幅が広がるはずです。
ペッテリ・サリオラ
フィンランド出身のソロアコギプレイヤーとして世界に名を轟かせる、ペッテリ・サリオラさん。ソロフィンガーピッカーとしても卓越したテクニックだけではなく、世界を圧巻するスラム奏法は必見です。
とくにシンガーソングライターの方でも、伴奏にスラム奏法を取り入れたいという方はぜひお手本にすべきプレイヤーの1人。
トミー・エマニュエル
一度はこのお方の名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。あの世界3大ギタリストのエリック・クラプトンもリスペクトする、トミー・エマニュエルさんです。世界中の多くのフィンガーピッカーがお手本としている巨匠。
アコギの神様と呼ばれるトミー・エマニュエルさんの演奏は、フィンガーピッカーを目指す方なら必見。
ソロギターを始めたい方

ここまで数々のソロフィンガーピッカーを見てきました。ソロギターをこれから始めたいという方は、逆に尻込みしてしまうような演奏だったかもしれません。
ですが、ソロギターを始めるのに年齢も技術もまったくもって関係ありません。むしろ1人できて、適切なステップを踏めば確実にレベルアップします。
ソロギターを専門にしなくとも、アコギでの弾き語りなど伴奏のバリエーションは増えるでしょう。

おわりに
【ギタリストマッスル出版】
もしかするとこのページに来られたあなたは、本当は「バンドの中でエレキギターを弾きまくりたい、でも中々メンバーが集まらない」という方かもしれません。
実はこういった事情からソロフィンガーピッカーとなり有名になった方も多数おられます。そういった方こそ、1度フィンガーピッカーの世界に足を踏み入れられてみてはどうでしょうか。きっと今まで知らなかった魅力ある世界がそこにはあるはずです。
よく「ソロギターを練習しても、ギターは上手くならない」というギタープレイヤーや、ギター講師の方までもいたりします。まるでソロギターはソロギターとして孤立したジャンルとして考えられているのでしょう。
ですがまったくもってそんなことはありません。ギターのテクニックというのは、運動神経だけではなく様々なところで繋がっているのです。
もっとわかりやすくいえば「音楽を捉える」という現象において同じです。とくにこれからまだまだ伸びしろのある、初心者や中級者の方ならなおさらギター上達の手助けになってくれるでしょう。
さらにアコースティックギターのライブや、レコーディングでは、レベルアップした自分に出会えるはずです。そこからサポートギタリストとして仕事をもらい、新しい仲間を探すのも良し、ソロフィンガーピッカーとして腕を磨き込むのも良いでしょう。