今回はギターを始めて間もない方、またはこれからギターを始めようと思っている方に向け、ギターtab譜(タブ)の読み方を解説していきます。
もちろん楽譜は読めたほうがより良いですが、多くの方は音符を読み取ることに抵抗を感じてしまいます。ですがtab譜といってギター専用の譜面形式があり、楽譜より具体性が高いのでより速い段階で読解力がつくはずです。

タブ譜の歴史
「ギタータブ」は「guitar tablature(ギタータブラチュア)」または「guitar tabulature」と呼ばれ、語源はラテン語で”一覧”を意味する”tablatura”が元となっています。
現代に連なるTAB譜が使用され始めたのは14世紀以降になり、1507年にはTAB譜によるリュート(弦楽器の一種)曲集が世界で初めて出版されました。
タブ譜の読み方
それではギターTAB譜とギター指板の関係性、そして一般的な基本記号までを解説していきます。TAB譜の表記は国や出版社などによって細かな点で違いはあるのですが、要点を押さえておくことでどのようなTAB譜も読解可能です。
ギターを覗き込んだ状態を視覚化した6本の線
ギターTAB譜は6本の線で構成されており、一番下の線から6弦~1弦にあたります。そしてTAB譜の線上に書かれた数字が押さえるフレットに該当するのです。
ちょうどギターを抱えて覗き込んだ状態を視覚化したものになります。
tab譜にも符尾が付く/海外と日本のtab譜表記
海外と日本のギターTAB譜表記についても違いがあります。日本で販売されている多くのTAB譜は、五線譜とセットで表記され、TAB譜の数字にも符幹が符尾が記載されてものが多いです。
一方で海外のギターTAB譜では、五線譜とセットではあるがTAB譜上の数字には符幹や符尾が付かないものが多い傾向があります。
チョーキング記号
それでは弦を押し上げ音程を上げるチョーキング記号の表記から確認してみましょう。フレット2つ分音程を上げる、1音チョーキングは「Cho」または「C」。フレット1つ分の半音チョーキングは「H.C」。フレット3つ分の1音半チョーキングは「1H.C」。2本の弦をピッキングし、低音弦のみチョーキングすることで同じ音程にするダブルチョーキングは「W.C」と表記します。
また弦をチョークアップした状態でピッキングする表記は「U」。チョーキングから元のポジションへ戻す表記は「D」と表記します。
・Cho:1音チョーキング
・H.C:半音チョーキング
・1H.C:1音半チョーキング
・2C:2音チョーキング
・W.C:ダブルチョーキング
・D:チョーキングダウン
・U:チョークアップ
ハンマリングとプリング記号
続いてはピッキングせずに音を鳴らすハンマリングとプリング奏法の記号です。指で弦を叩くようにし音を鳴らすハンマリングは「h」。押弦している指で弦を引っ掛けるように離し、より低い音を出すプリングは「p」と表記。大文字で「H」、「P」とそれぞれ表記されることもあります。
またハンマリングとプリングを連続的に繰り返すトリル奏法は、「tr」と表記。
スライドとビブラート記号
続いてはスライドとビブラートの表記です。弦を目的のフレットまで滑らせ音を鳴らすスライド奏法は「s」。押さえた弦を上下に揺らすビブラートは「vib」と表記されます。
ブリッジ・ミュート記号
続いてはロックで多用されるブリッジ・ミュートの表記です。ミュートの表記は「M」と表記されます。
ブラッシング記号
続いてはブラッシングの表記です。カッティングなどミュートした状態でピッキングするブラッシングは、TAB譜上に「×」と表記されます。
ハーモニクス記号
続いてはハーモニクスの表記です。ナチュラル・ハーモニクスは「harm」や「Harm」または「N.H」と表記。ピッキングハーモニクスは「Pincking Harm」または「P.H」と表記されます。
TAB譜によっては、数字をひし形◇に囲むことも多いです。
タッピング(ライトハンド)記号
続いて右手の指でタップする、タッピング(ライトハンド)奏法の表記です。タッピング奏法の表記は大きく分けて2種類あり、「T」または「↓」と表記されます。
アーミング記号
最後はアーミングの表記です。ストラトギターに代表されるアームプレイは、「Arm」と表記されます。
おわりに
今回はギターTAB譜の読み方について解説しました。TAB譜にはギター特有の奏法も表記されており、なお楽譜より具体性が高いためすぐに読解することができます。
ギターTAB譜だけでは読み取れない情報もありますので、音源や五線譜を併用することも大切です。